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1998 Fiscal Year Annual Research Report

ヒルシュスプルング病モデル動物としてのエンドセリンB受容体欠損ラット

Research Project

Project/Area Number 10877016
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

唐木 英明  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鳥橋 茂子  名古屋大学, 医学部, 助手 (90112961)
伊藤 喜久治  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50100045)
堀 正敏  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
尾崎 博  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
Keywordsヒルシュスプルング病 / エンドセリン / 腸内フローラ / マクロファージ / 消化管
Research Abstract

先天性消化管壁内神経節欠損ラット(ARラット)は腸閉塞症状を呈することから、ヒトの遺伝性疾患、ヒルシュスプルング病のモデル動物として有用であることが知られている。最近この病態が、先天性エンドセリンB受容体欠損に起因することが明らかにされた。本研究では、ARラットの消化管狭窄部と膨大部における形態学的変化、平滑筋の機能的変化ならびに腸内フローラの変化について検討し、このモデル動物の病態生理学的特徴を明らかにすることを目的とした。
ARラットにおいて、狭窄部位の消化管平滑筋収縮能は、消化管内容物が貯留する回腸膨大部の収縮能に比べて顕著に増大していた。このARラットにおける消化管平滑筋の収縮能の増加は、筋直接刺激による高濃度KCl収縮と受容体刺激による収縮(カルバコールおよびエンドセリン-1)のいずれにおいても同程度認められた。さらに、消化管平滑筋細胞層は狭窄部位において有意に増加していた。また、消化管狭窄部位においては、外来性の神経繊維束のみが見られ、網目状の神経叢は欠落していた。一方、消化管内容物が貯留する回腸膨大部位の腸内フローラは、総菌数が増加し、通常盲腸でしか見られない量の嫌気性菌が認められた。さらに、腸内フローラの体内移行をきたす可能性が高い好気性菌が異常に増殖していたことから、正常な小腸で見られるフローラコントロール機構が働いていないことが示唆された。形態学的検討からこの回腸膨大部の平滑筋層にマクロファージ様細胞が顕著に増加していることが明らかとなった。
以上の成績から、ARラットの消化管狭窄部位では、筋原性に収縮能が増加している可能性が考えられた。また、消化管膨大部においては、腸内フローラの異常が認められ、おそらく感染に対する防御機構として、平滑筋層に多量のマクロファージが浸潤するものと考えられた。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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