1999 Fiscal Year Annual Research Report
ALアミロイドーシスにおける形質細胞のクローナリティーの遺伝子学的解析
Project/Area Number |
10877032
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石原 得博 山口大学, 医学部, 教授 (70089910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 美保子 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (20236110)
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Keywords | ALアミロイドーシス / 形質細胞 / 免疫組織化学 / PCR |
Research Abstract |
ALアミロイドーシスでの、前駆体蛋白質であるクローナルな免疫グロブリンの存在を抗κ、抗λ抗体を用い免疫組織化学的に、再構成した免疫グロブリン遺伝子を増幅するPCR法を用い分子遺伝学的に検討した。また、免疫グロブリン軽鎖のアミノ酸配列を、分子遺伝学的手法により同定した。 全身性ALアミロイドーシスは原発性アミロイドーシスの剖検症例12例の骨髄を用いた。骨髄は過形成の傾向にあり、形質細胞の占める割合は5〜15%と正常に比べて増加していた。抗κあるいは抗λ抗体の一方で明らかに優位な染色態度を呈するものは8例あった。分子遺伝子学的には、用いた骨髄標本が脱灰等の操作のためPCRには不適当であった。限局性ALアミロイドーシスでは、生検で局所に形質細胞の浸潤が見られた16例(皮膚7例、呼吸器5例、膀胱1例、眼瞼1例、舌1例、唾液腺1例)を用いた。リンパ球や形質細胞は、アミロイドや血管の周囲に集簇して浸潤する傾向が見られた。抗κ、抗λで優位な染色性の差が見られたものは16例中6例あり、差がなかったものが3例、判定の困難なものが7例であった。分子遺伝子学的には、16例中12例でPCR産物が検出され、モノクローナリティーが検出されたものは9例、ポリクローナルなものは3例であった。16例中13例で少なくともどちらかの方法によって局所の形質細胞のモノクローナリティーを証明できた。 喉頭限局性のALλタイプのアミロイドーシスの新鮮材料を用い、λ鎖のV領域を増幅するprimerによりPCRを行った。λ鎖はサブクラスごとに変異が大きいため、各サブクラスごとのprimerが必要となる。この症例ではλIを増幅するPCRによりモノクローナルバンドが検出された。このDNA断片の塩基配列から、アミノ酸配列が決定できた。同様にして、新鮮材料からアミロイド前駆蛋白のアミノ酸配列の決定ができると期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mihoko Setoguchi: "Conjunctival AL amyloidosis associated with a low-grade B-cell lymphoma"Amyloid: Int. J. Exp. Clin. Invest.. 6. 210-214 (1999)
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[Publications] Mihoko Setoguchi: "Analysis of plasma cell clonality in localized AL amyloidosis"Amyloid: Int. J. Exp. Clin. Invest.. 7(in press). (2000)