1998 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞の機能亢進と腫瘍化におけるcaveolinの役割
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10877035
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
前田 環 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00173708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 道代 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50218484)
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Keywords | Caveolin |
Research Abstract |
剖検または生検で得られたホルマリン固定パラフィン包埋切片に対して,抗ヒトcaveolin-1ポリクロナール抗体 および抗ヒトcaveolin-2、-3モノクロナール抗体(Transduction Laboratories社)を第一抗体に用いてABC法を行った。線維芽細胞,血管内皮,平滑筋,脂肪細胞がcaveolin-1、-2に対して強陽性を示し、培養細胞でのこれまでの報告と矛盾しない良好な染色結果を得た。caveolin-3については骨格筋・心筋に陽性で、中枢神経白質においても陽性を示したが、今回検索したすべての内分泌細胞で陰性であった。 内分泌臓器におけるcaveolin-1、-2の発現は以下の通り。 甲状腺:扁平化した濾胞上皮はCaveolin-1,-2とも大部分の細胞が陽性であったが,結節性甲状腺腫で濾胞内に吸収空胞が出現した立方状の濾胞上皮ではCaveolin-1は陽性で,Caveolin-2は陰性を示した。副甲状腺、副腎皮質:大部分の細胞でcaveolin-1、-2に対して陽性を示した。下垂体前葉、膵臓ランゲルハンス島:一部の細胞が陽性を示すのみであった。また下垂体前葉細胞では多数の核が陽性を示した。 以上の結果を踏まえて臓器を甲状腺にしぼり、正常と病的状態のcaveolin-1、-2の発現状態の変化を検索中である。Cavcolin-1は培養細胞のoncogernic transformationに際して減少するがCaveolin-2は変化しないという報告があるが,これまでに検索した範囲では過形成状態に置いてはむしろCaveolin-2が減少しており,Caveolin-1,-2の発現の検討が,過形成状態と腫瘍の鑑別に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Michiyo Hatanaka, Tamaki Maeda et.al.: "Expression of caveolin-1 in human T cell leukemia cell lines" Biochemical and Biophysical Research Communidations. 253. 382-387 (1998)
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[Publications] Michiyo Hatanaka,et al: "Cellular distribution of a GPI-anchored complement regulatory protein CD59" J Biochemistry. 123. 579-586 (1998)