1998 Fiscal Year Annual Research Report
線虫感染に伴うマスト細胞の遊走と接着分子に関する研究
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10877045
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
手越 達也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40254370)
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Keywords | 線虫感染 / マスト細胞 / 接着分子 / E-カドヘリン |
Research Abstract |
I) マスト細胞前駆細胞からマスト細胞に分化・増殖する過程でE-カドヘリンの関与を明らかにするため、(1)マウス骨髄細胞、(2)小腸上皮単核球をマスト細胞増殖因子を含むメチルセルロースコロニー培養法で、形成するマスト細胞コロニーの数を調べた.骨髄細胞のコロニーアッセイではマスト細胞の他、マクロファージ、顆粒球等のコロニーを形成する.小腸上皮単核球のコロニーアッセイでは出現するコロニーはすべてマスト細胞から成るコロニーである. (1) E-カドヘリン抗体を添加した群では形成するコロニー数がアイソタイプマッチコントロール抗体群と比較し有意に減少(コロニー抑制率約25%)し、現在出現したコロニーの細胞同定を行っている. (2) E-カドヘリン抗体を添加した群では形成するコロニー数がアイソタイプマッチコントロール抗体群と比較し有意に減少(マスト細胞コロニー抑制率約50〜80%)した. II) マスト細胞に分化した後の増殖にE・カドヘリンが関与しているか、骨髄由来培養マスト細胞を用い、抗体を(3)液体培養と(4)メチルセルロース培養に添加し、マスト細胞数と形成するマスト細胞コロニー数を解析した.骨髄由来マスト細胞はマウス大腿骨より骨髄細胞を回収し、IL-3,IL-4を含む増殖培地で4週間以上継代培養した純化率95%以上のマスト細胞を用いた. (3) 骨髄由来培養マスト細胞にE-カドヘリン抗体を添加し3,5日間液体培養した結果、3日間ではアイソタイプマッチコントロール抗体群と比較し有意に細胞数の抑制が観察されたが、5日間では認められなかった. (4) 骨髄由来培養マスト細胞にE-カドヘリン抗体を添加しメチルセルロース培養法で10日間培養した結果、アイソタイプマッチコントロール抗体群と比較し有意にコロニー数が減少(コロニー抑制率約25%)していた.
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