1998 Fiscal Year Annual Research Report
炭疽菌毒素を介した生理活性物質の細胞内移入方法に関する基礎研究
Project/Area Number |
10877046
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
白幡 敏一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (90003110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 壮一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30181621)
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Keywords | 炭疽菌 / 毒素 / 細胞内移入 |
Research Abstract |
炭疽菌の主要な病原因子の一つ,毒素は防御抗原(PA)、浮腫因子(EF)、致死因子(LF)から成り、PAが先ず宿主細胞に結合し、その後、EFもしくはLFが細胞結合性のPAを介して、細胞内に取り込まれ、初めて毒性を発揮する。LFのN-末から255アミノ酸残基(LF255)領域がPAへの結合部位である。そこで、LF255と外来遺伝子産物の融合タンパクを作成すれば、PA存在下で融合タンパクは真核細胞内に取り込まれる。最近、LF255とリステリアのT細胞エピトープとの融合タンパクによる防御効果が報告された。この結果、種々の感染症に応用可能で、非常に安全かつ簡便にワクチンが精製可能となった。また、PAは多くの細胞に結合するので、生理活性物質を細胞内に移入することも可能となる。そこで、融合タンパクを作り出すための発現ベクターの開発を目的として、以下の実験を企画した。 LF255との融合タンパクを産生するための発現ベクターの構築、融合タンパクを細胞内に取り込ませるためのPAタンパクの精製、細菌感染症ワクチンの試作。 本年度は、発現ベクターをまず構築した。LFの全塩基配列は既に報告されているので、PCR法により遺伝子を単離した。さらには、融合タンパクをワンステップで精製可能にするために、"6 x His"をN末にインフレームになるように挿入し、さらにLF255の直後に外来遺伝子断片を挿入するための制限酵素切断部位が付加されるようにプライマーを設計し、PCRを行った。実際に構築されたベクターはLF255を産生していた。翌年度は、実際に外来の遺伝子を組み込んで発現を調べる。
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