1999 Fiscal Year Annual Research Report
藍藻を用いたエンテロトキシンに対する食用ワクチンの開発
Project/Area Number |
10877050
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
榎本 恵一 高知工科大学, 工学部, 教授 (20128127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 享介 高知工科大学, 工学部, 助手 (30299367)
向畑 恭男 高知工科大学, 工学部, 教授 (10028110)
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Keywords | ラン藻 / エンテロトキシン / ワクチン / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エンテロトキシン蛋白質のうち、無毒性の部分をコードする遺伝子を食用藍藻に組み込んで発現させ、得られた藍藻組換え体をそのまま食用ワクチンとして利用することにある。対象となる藍藻として、大量増殖が可能であること、食用としての実績があることから、Spirulinaを選択した。 Spirulinaにおける遺伝子組換えは未だ確立されていないため、以下の研究を行った。 1.Spirulinaの抗生物質感受性 遺伝子が導入された細胞を選択する方法として、抗生物質耐性遺伝子をマーカーとして同時に細胞に導入することが考えられる。この前提としてSpirulinaの抗生物質感受性を調べた。その結果、Spirulinaはクロラムフェニコールとテトラサイクリンに感受性を示したが、後者に対する感受性は一時的であった。クロラムフェニコール耐性遺伝子をエレクトロポレーションによって導入することを試みたが、耐性を示すSpirulinaは得られなかった。 2.Spirulinaのコロニーの単離 Spirulinaには遊走性があるため、平板寒天培地上でコロニーを作り難いことがクローンを得る障害になっていた。しかし、培地中に界面活性剤の一種であるSDSを含ませることで遊走を止め、コロニーを形成させることが出来た。 3.プロトプラスト様細胞作成 Spirulinaは数十個の細胞が連なった藻体であるため、遺伝子導入はその一部の細胞のみに起こり、純粋なクローンが得られないことが予想される。そこで、藻体を個々の細胞に分離することを試みた。あらかじめ細胞壁溶解酵素で処理した藻体を、ホモジナイザーで処理し、機械的に細胞壁を破壊した。酵素として植物のプロトプラスト作成に用いられるセルラーゼとペクチナーゼでは効果は見られなかったが、リゾチームを用いると高率で1個ずつに分離した細胞が得られた。
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