1998 Fiscal Year Annual Research Report
交代制勤務が心理・生体系に及ぼす非顕性健康影響の検出に関する研究
Project/Area Number |
10877067
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷川 武 筑波大学, 社会医学系, 講師 (80227214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50223053)
嶋本 喬 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50143178)
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Keywords | 交代勤務 / 血圧 / サーカディアンリズム / 疫学研究 |
Research Abstract |
本研究では、サーカディアンリズムの変調に対して感受性が高くかつ生体バランスの保持や生体防衛にとって不可欠な自律神経系、循環器系、内分泌系、免疫系の各指標の変動を交代勤務の各就労時期に把握し、交代制勤務特有の非顕性健康影響の検出を目指すことを目的とした。 某事業場で交代勤務に従事する男子30名(年齢20〜45歳、交代制勤務者)と同事業場にて通常勤務に従事する年齢をマッチングさせた(±1歳)男子30名(年齢20〜45歳、交代制勤務者)を対象として、以下の項目を測定するとともに勤務帯毎の比較を被験者の同意を得た上で行った。測定項目は、睡眠健康度インデックス、起床時の状況調査票、睡眠日誌、ホルター心電図用の行動記録、生活習慣問診票、POMS(profile of mood states)、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、フィブリノーゲン、血中DHEAS(dehydroepiandrosterone-sulphate)、ANP(atrial natriuretic peptide)、BNP(brain natriuretic peptide)、IL6(interleukin-6)、IgG、IgE.C4、NK(natural killer)細胞活性、リンパ球幼若化能等の免疫系の指標)、ホルター心電図、24時間血圧、唾液中コルチゾールである。 この結果、交代勤務者は通常勤務と異なり、夜間の勤務中の活動中は血圧が睡眠時よりも上昇するパターンをとり、交代勤務者の血圧のサーカディアンリズムの周期は通常勤務者に比べて約30分延長する傾向がみられた。各種生体内指標は、交代勤務者と通常勤務者の間で大きな差は認められなかった。 以上より、交代勤務が血圧のサーカディアンリズムに影響する可能性が示されたが、その長期的な健康影響については今後の検討課題である。
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Research Products
(1 results)