1998 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会における保健・医療・福祉の総合的医学教育方法の開発
Project/Area Number |
10877071
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
山根 洋右 島根医科大学, 医学部, 教授 (60032182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部, 助教授 (10108384)
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Keywords | 高齢化社会 / 医学教育 / 保健・医療・福祉 / コミュニテイ基盤教育 / 学生主体教育 / 問題解決型教育 / チュートリアルシステム / 参加行動型研究 |
Research Abstract |
1. 日本で最も高齢者率の高い島根県において、特徴ある医学教育実践として、「Community-based Education System」を検討した。出雲市、出雲医師会、医療機関、社会福祉施設、一般市民、老人クラブ、ボランティアグループなど地域社会の協力を得て、1年入学時の福祉施設における「早期医学体験実習」、3年次の基礎医学講座配属時における診療所・福祉施設複合「乙立里家センター実習」、4年次の環境保健医学実習における「家庭訪問健康管理実習」を行った。評価は、実習発表、レポート、実習論文、学会発表などで総合的に行った。地域コミュニティにおける多様な社会資源、諸施設によるCommunity-based Educationは、保健・医療・福祉の総合教育システムとして、学生の問題解決能力、主体的行動能力、感性の養成などに極めて有効である。成果の一部は、学生自身が、1999年3月開催予定の「医学看護学教育学会」にて発表する予定である。 2. 学生主体・問題解決型教育方法とチュートリアルシステムによる講義方法を検討した。看護学生対象に学生参加型教育方式の評価を共分散構造解析による学習満足度に関するMIMIC(Multiple Indicator Multiple Cause)モデルを用いて行った。「学習者レディネス」は、教育前に公衆衛生学に関心を示すことと強く関連し、「自立的学習タイプ」は学習意欲と、「学習満足度」は学生参加型教育方式、自主学習強化志向の教育改善と関連した。問題解決型学習方式を受け入れ発展させる学生は、元来自主的な学習態度を持ち知識伝授型教育には不満を持っているため、教師が学生のニーズを受け入れ、学生の多様な潜在能力を前提とした「内発的動機づけ」を重視する教育方法が重要であることを明らかにした。今後の課題として小グループ・学生主体・問題解決型教育の理論化、実習と講義との結合、チュートリアルシステムによる学生の主体的学習能力と教官の教育能力開発があげられる。
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Research Products
(2 results)