1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子遺伝学的アプローチによるクローン病感受性遺伝子同定の試み
Project/Area Number |
10877087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 尚之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60231437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 順 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80301141)
北條 浩彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60238722)
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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Keywords | Crohn病 / differential display / 遺伝子発現 / 慢性関節リウマチ / 全身性エリテマトーデス |
Research Abstract |
1. Crohn病腸管の病変部において特徴的に発現する遺伝子を検索する目的で、Differential Display法による検討を行っている。社会保険中央総合病院大腸肛門科・同院病理部の協力を得て、Crohn病腸管切除標本5例を採取し、病変部と非病変部それぞれからRNAを抽出した。種々の配列を持つ任意プライマーを用いたPCRにより複数のcDNA断片を同時に増幅し、ゲル電気泳動で展開後、病変部と非病変部において発現パターンの異なるバンドを探索した。これまでに、小腸標本1例において、病変部により強く発現していると思われるバンドを9本検出している。今後これらのバンドを再増幅・クローン化して塩基配列を決定し、遺伝子の特定、異なる標本間における再現性の確認を加える予定である。 2. Crohn病の遺伝素因を分子レベルで明らかにする目的で、社会保険中央総合病院消化器科の協力により、crohn病患者150例の末梢血を採取し、ゲノムDNAの採取を終了した。これまでに、NF_KB活性化に関与するI_KB kinase αの変異解析を終了し、いくつかの新たな多型を検出したが、Crohn病と有意な関連を要する多型は見いだされなかった。今後、HLA,サイトカイン、サイトカイン受容体や、当研究室においてはじめて見いだされたcostimulatory moleculeの多型との関連を検討する予定である。 3. 本研究と共通の方法論を用い、慢性関節リウマチの滑膜において発現する遺伝子、慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスの感受性に関連する遺伝子の検討を行っており、いくつかの新たな知見が得られ、現在投稿中である。
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