1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペスウイルス サイミリを利用した血球貧食症候群Tリンパ球の解析
Project/Area Number |
10877120
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊田 英明 北海道大学, 医学部, 助教授 (30271654)
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Keywords | EBV / HVS / HPS |
Research Abstract |
Epstein-Barrウイスル(EBV)が原因による血球貧食症候群(hemophagocyticsyndrome;HPS)1例の末梢血を得た。その末梢血からFicoll-Paque比重遠心法により単核球を得、ヘルペスウイルスサイミリ(HVS)を感染しリンパ芽球株の樹立をめざした。その結果、B及びTリンパ芽球株の2種類の細胞株が樹立された。Bリンバ芽球株にはPCR法にてEBV DNAが存在し、HVSDNAは存在していなかった。潜在EBV関連遺伝子のml硼Aの発現をRT-PCR法で検索した。EBERl,2,EBNA-1,EBNA-2,LMP-1のmRNAは発現しているが、LMP-2A,LMP一2BのmRNAは発現されていず、今までに報告のない潜伏感染の型を示していた。EBVによるHPSではEBVがTリンパ球に感染していることが知られている。しかし、今までEBVが感染したTリンパ球に限らず、Bリンパ球の自立的なリンパ芽球株の樹立も理由は不明であるが困難であった。今回、HVS感染によるか否かは明らかでないが、Bリンパ芽球株が団VによるHPSの患者から初めてBリンパ芽球株が樹立され、今までに報告のない特殊なEBVの潜伏感染の型をしていた。Tリンパ芽球株はCD4陽性で、PCR法EBV DNAが存在せず、HVS DNAが存在していた。残念ながら、HVSを使用してもEBVが感染しているTリンパ芽球株を樹立できなかった。サイトカインのmRNAの発現の検索から、IFN-γ,IL4,IL-5,IL-10,TNFは発現していたが、IL-2,IL-6の発現はみられなかった。
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