1999 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボポイエチン依存性巨核球造血の解析による全身性エリテマトーデスの病態解析
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10877126
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高野 容子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40277033)
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Keywords | SLE / 特異的抗血小板抗体 / TPO依存性巨核球血小板造血能 |
Research Abstract |
我々はすでに患者血小板および血漿中より特異的抗血小板抗体を検出、分離す系を確立しており、また抗体の対応抗原の分子内局在同定および自己抗体産生クローンの検出も可能としている。これらを用いて平成10年度には、SLEの特異的抗血小板抗体が分子生物学的にITPと同じ性質、即ちGPIIb/IIIa heterodimer依存性が強いことを証明した。この結果はすでに平成10年度の日本血液学会総会において報告した。 これを踏まえ平成11年度には以下の研究を実施した。 1.特異的巨核球増殖因子である遺伝子組み換えトロンボポイエチン(TPO)を用いて、in vitro 半固形巨核球培養系を確立した。 2.正常臍帯血幹細胞を各種濃度のTPO存在化に半固形培地で培養したところ、濃度依存性巨核球コロニーの形成が認められた。しかしある程度の濃度以上になるとコロニー形成はプラトーに達した。 3.上記で培養して得られた巨核球を可溶化し、ITP患者血小板より分離した特異的抗血小板抗体と反応させたところ、これらの血小板溶出IgGは巨核球にも結合することが確かめられた。 4.現在、上記巨核球培養系に特異的抗血小板抗体を添加し、TPO依存性巨核球血小板造血に与える影響を評価中である。 今後は更に、SLEにおける抗血小板抗体以外の自己抗体の血小板造血に与える影響を検討するため、上記実験系にSLE血漿を添加し、TPO依存性巨核球血小板造血能を評価する。またITP及びSLE患者の骨髄を採取し、それから分離した幹細胞を用いてTPO依存性巨核球コロニー形成能の比較及び抗血小板抗体添加による変化を検討し、これらの疾患における血小板減少発現の機序に幹細胞レベルの異常が関与しているか否かを明らかにしていく予定である。
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