1998 Fiscal Year Annual Research Report
高周波が小児や障害児の脳波活動と脳血流とに与える影響
Project/Area Number |
10877128
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岡本 一章 関西医科大学, 医学部, 助手 (80224070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 明博 関西医科大学, 医学部, 講師 (70158004)
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Keywords | 高周波 / 小児 / 障害児 / 脳波 / 脳血流 / 近赤外線法 |
Research Abstract |
我々は高周波が含まれる音楽と含まれない音楽を聴いた時に脳波、脳血流を記録し、その変化について考察した。 対象は、健康成人5名(20〜46歳)と小児5名(3〜14歳)である。音楽家は対象から除外した。高周波の含まれる音楽としてアコースティックギターと歌の生演奏を用いた。また、高周波の含まれない音楽として同じ演奏をミニディスク(MD)で録音して用いた。このような音楽を聴きながら、脳波・脳血流を記録し、これを2度繰り返した。脳波の解析はAR自己回帰分析で行い、脳血流は近赤外線スペクトロスコープ(浜松ホトニクス社製)を用いて記録した。 生演奏を聞いたとき、脳波上のα波が増加するとともに脳血流が増加した。MDにより演奏を聞かせた場合には脳波上の変化は乏しく、脳血流も変化しなかった。今回の対象では、年齢による差は見られなかった。 高周波の含まれる生演奏でα波が増加し、含まれないMDによる演奏ではα波は増加しなかったこの変化は高周波が脳波に与える影響と考えられる。このα波の増加は脳血流の増加に伴って生じることも明らかである。 次年度は発達障害児の脳波と脳血流を記録し、また、音楽療法による脳波の経時的な変化について明らかにする。小児において高周波が脳に及ぼす影響および高周波と発達との関係が明らかになれば、小児をとりまく音の環境整備を行うことで脳機能を促進的に刺激することが可能である。この研究が完成すれば脳のリハビリテーションという医学的な面だけでなく、音楽教育面にも大きな影響を与えるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A Yasuhara,et al: "Infantile spasms associated with a histamine H1 antagonist" Neuropediatrics. 29・6. 320-321 (1998)
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[Publications] Akihiro Yasuhara,et al: "Changes in EEG after transcranial magnetic stimulation in children with cerebral palsy" Electroencephalography & Clinical Neurophysiology. (in press).
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[Publications] A Ochi,A Yasuhara et al: "Comparison of distortion product otoacoustic emissions with auditory brainstem response for clinical use in neonatal intensive care unit" Electroencephalography & Clinical Neurophysiology. 108. 577-583 (1998)
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[Publications] A Araki,A Yasuhara et al: "The effects of stimulus rates on the amplitude of median nerve somatosensory evoked potentials:the developmental change" Brain & Development. (in press).
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[Publications] 安原昭博、他: "経頭蓋磁気刺激による運動神経誘発電位の正常値と脳波活動に与える影響について" 脳波と筋電図. 26. 273-279 (1998)
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[Publications] 安原昭博: "新生児・未熟児の聴性脳幹反応と眼輪筋反射" 臨床脳波. 40・1. 14-19 (1998)