1999 Fiscal Year Annual Research Report
MR拡散強調法を用いた脳器質病巣の描出と変化の推移
Project/Area Number |
10877143
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
榎本 京子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50232963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平敷 淳子 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60008589)
渡部 恒也 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50056313)
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Keywords | brain / MRI / diffusion / epilepsy / myelination |
Research Abstract |
1.前年度の検討にて確立された拡散強調画像のパルス系列を脳炎症性疾患、Epilepsyの重責状態など脳実質に比較的急性の局所病変が疑われる症例の脳MRIに適応し、急性局所病変の描出を試み、80%以上の症例で臨床症状と一致する局所病変が描出可能であった。 3.この変化は可逆性であり、症例によっては病態の改善に伴い、異常所見は消失した。 4.髄鞘形成過程の新生児、乳児では正常神経線維束の異方性拡散は成人のそれと異なることが証明された。 5.拡散協調画像上で生後三ヶ月までは多方向に印加パルスの方向に依存する異方性拡散が観察された。これらの線維束は成長と供に減少し、生後24ヶ月でほぼ成人と同様のパターンとなる。 6.異方性拡散の減少は生後4ヶ月及び7ヶ月に二峰性のピークを有する。 7.減少する線維束と髄鞘形成過程は完全な並行を示さず、本研究の結果が新たな脳発達過程の指標となり得ることが示唆された。 8.臨床的に脳発育遅延が存在し、通常の脳MRIで器質的異常を示さないある種の疾患において、年齢に依存することなく描出される線維束群が観察されない症例を経験し、上述5に加え脳発達過程の新たな指標となり得ることが示唆された。
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