1999 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血への高線量照射後に誘発される接着性巨細胞を利用した放射線抵抗性の機構解析
Project/Area Number |
10877145
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
関根 広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40187852)
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Keywords | 放射線抵抗性 / マクロファージ / 単球 / BrdU / MTT |
Research Abstract |
X線照射した末梢血からリンパ球層を分離し、AIM-V/2%ヒト血清+r-IL2(100IU/ml)で2週間培養した。1.濃縮培養上清による放射線抵抗細胞の誘導作用:30Gy照射し前記条件で培養し、培養上清を20培濃縮した。0,10,20,30Gy照射リンパ球を4倍希釈濃縮培養液と前記培養液単独で培養し、接着性巨細胞の出現頻度を比較した。いずれの線量でも接着性細胞の誘導に有意差は認めなかった。2.BrdUを用いた細胞増殖測定:各照射線量のリンパ球を13日間培養後、BrdU 10mmol/lを加え24時間培養した。浮遊細胞と接着細胞を別のプレートに移し、それぞれ洗浄後0.5mmol/l HCl/70%エタノールで固定した。ヌクレアーゼ溶液を加え37℃で30分保温し、ペルオキシダーゼ標識抗BrdU 抗体(200mU/ml)で反応させた後、基質液(ABTS)を加え発色させた。リーダーにより吸光度を測定した(490nm対象で405nmを測定)。浮遊細胞の吸光度は非照射を基準にして10,20,30Gyでそれぞれ0.5±0.04,0.2±0.02,0.08±0.04であった。一方、接着性細胞では非照射及び照射群でも明らかな吸光度の変化は認めなかった。3.MTT法による蛋白合成能の測定:リンパ球を13日間培養した後にMTT溶液(5mg/ml)を加え4時間培養した。上清と浮遊細胞を除き、HCl(0.04N)/isopropanolで溶解させ、吸光度を測定した(630nm対象で570nmを測定)。非照射では明らかな吸光度の変化は認めず、10,20,30Gy照射群でも0.023±0.013,0.031±0.011,0.027±0.015で明らかな傾向は認めなかった。結論:接着性巨細胞は線量増加に従って増加するが、細胞数が少なく上記のBrdU法、およびMTT法で明らかな結果が得られなかった。
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