1998 Fiscal Year Annual Research Report
超常磁性酸化鉄コロイド使用による転移性肝癌の新しい治療法の開発
Project/Area Number |
10877147
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
隈崎 辰夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (10089675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恩田 宗彦 日本医科大学, 医学部, 助手 (20277510)
古川 一博 日本医科大学, 医学部, 助手 (70297927)
市川 太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (90232397)
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Keywords | 転移性肝癌 / インターベンショナルラジオロジー / 肝循環閉鎖回路 |
Research Abstract |
1)まず、超常磁性酸化鉄コロイド溶剤は家兎静脈内に投与し1時間後屠殺、肝臓を抽出し、これにマイクロ波を照射し、肝臓の温度上昇を熱測定用端子にて測定した。同一条件下にて溶剤非投与家兎屠殺後に抽出した肝臓の温度上昇と、溶剤投与後摘出肝の温度上昇とを比較し、溶剤投与肝臓で明らかに温度上昇が優っていることを確認した。このことは超常磁性酸化鉄コロイドが温度上昇の要因であると理解できる。次に生体家兎にて実験を行った。MRIにて撮像することによって肝臓の位置は確認できたが、肝臓全体に選択的にマイクロ波を照射することが予想以上に困難であり、新しい工夫が必要と考え、鋭意検討中である。 3)マイクロラジエターについては企画した実験を遂行したが、家兎のような小動物では手枝的に困難であることが判明し、直ちに豚による実験に変更した。冷却用カテーテルを作製しパルススプレー方式にて冷却水を放出したが、温度の冷却は不安定であった。そこで新たなアイデアとして、スエーデンヨストラ製の温度調節ポンプを利用することを考え、豚の肝静脈が灌流する下大静脈部分を2連バルーンにて閉塞し、この部の静脈血を対外循環方式にて鎖骨下静脈に灌流させたところ極めて良好な結果を得ることができた。 4)以上の結果から肝臓のみで循環させる閉鎖回路方式を作ることができた。このことは、IVR手技の活用と上記ポンプの濾過機能を活用すれば、高濃度の抗癌剤を肝臓のみに環臓させ、不必要な薬剤の全身循環を抑制することができると考えられる、したがって平成11年度は本実験を加え総合的に評価することを企画している。
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