1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10877193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細谷 亮 京都大学, 医学研究科, 講師 (00139908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (20301236)
森 千里 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90174375)
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Keywords | アポトーシス / 急性膵炎 |
Research Abstract |
温阻血再灌流とセルレイン投与による急性膵炎モデルを作成し,組織中に浸潤する白血球が急性膵炎の病的にいかに関与しているかを,膵腺房細胞のアポトーシスの観点から検討した.1、ラット膵温阻血再灌流モデル:麻酔下にラット脾動脈60分温阻血を行い,再灌流後72時間まで組織変化を観察した.血管透過性の亢進は再灌流2時間後に最大(色素法)となり,白血球浸潤は経時的の増加し再灌流48時間後に最大(酵素法)となった.48時間後には膵腺房細胞のアポトーシスとBax蛋白の増加も観察され,浸潤細胞が腺房細胞の自殺機構を活性化させ,炎症という生体にとって有害な膵酵素の血中逸脱を防止している可能性が示唆された.2.ラットセルレイン急牲膵炎モデル:先の温阻血モデルで白血球浸潤の急性膵炎病態増悪の関与が示唆されたので,あらたにラット白血球涸渇法を作成した.すなわち抗癌剤であるメソトレキセートを投与したラット(白血球涸渇群)と対照群でセルレイン誘導膵炎の病態を比較検討した.その結果,白血球涸渇群では血中膵逸脱酵素や膵浮腫といった膵炎像が軽減し,同時に膵炎後期の膵腺房細胞のアポトーシスが約2倍に亢進した.すなわち,浸潤白血球は膵炎の増悪因子として働き,アポトーシスによる細胞除去を遅らせる因子であることが判明した.今年度の研究成果をもとに,次年度は急性膵炎回復期にみられるアポトーシスに随伴する膵外分泌細胞の再生現象とその機構解明に向けた研究を展開する予定である.
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[Publications] Fujimoto K: "Isuchemia-repufusion inzury of the pasrueas in rats:I dcutitication of acinar all apoptosis." J.Sarg.Res.71. 127-136 (1997)
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[Publications] Fujimoto K: "Role of neutrophils in cerulein-iadured panceafrtis in rats:Possible involvement of apoptosis." Digestion.58. 421-430 (1997)