1999 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌に関与する未知なる遺伝子の同定とその構造及び機能の解明
Project/Area Number |
10877198
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 修 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00286501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早津 成夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10286502)
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Keywords | 食道癌 / ゲノムスキャンニング / RLGS法 / クローニング |
Research Abstract |
食道癌(扁平上皮癌)の遺伝子変化を、ゲノムDNAを2次元電気泳動して解析するRestriction landmark genomic scanning法(RLGS法)を用いて、検討している。食道癌の新鮮手術材料(5症例)の癌部、非癌部組織を採取し、ゲノムDNAを抽出後、RLGS法を施行した。オートラジオグラフィーで得られたprofileをデジタル化し、約1000のスポット化されたDNA断片を癌部、非癌部間で比較した。症例数がまだ少ないものの、癌部のみに出現するスポット変化を2箇所みとめた。これらのスポット変化と,臨床病理学所見との関連性を様々な角度から解析,検討している段階である。スポット変化のうち,1箇所に対しては,既にクローニングを施行済みである。その際、制限酵素NotI切除断端のみを描出し,他の切除断端からなる遺伝子断片を除去するNot I trapper methodを用いている。クローニングは、trapper施行後のprofileから、目的とするスポットを直接打抜き、DNAを抽出した。DNA量の確保のため、プラスミドに挿入し、大腸菌を用いて形質転換を行い、増幅させた。さらにダイデオキシ法にて、塩基配列を決定した。本遺伝子断片と他遺伝子との相同性の検索では、特記すべき相同性は認めなかったものの、本遺伝子断片をプローブとして、さらなる解折が可能と思われた。さらに,本遺伝子断片の塩基配列よりプライマーを作成し,PCRによる脱メチル化の変化を微小病変やパラフィン切片からも検出し得るため,これを計画している。この方法にて,検索症例数を増加させれば,臨床病理学的所見との関連性が明らかになる可能性が考えられる。また,今後はRLGS profi1e数とスポットクローニング数の増加も目標にしたいと考えている。
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