1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本人におけるTNF-αプロモーター遺伝子変異の臨床的意義(癌患者免疫治療予後予測マーカーの可能性)
Project/Area Number |
10877200
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
新谷 文彦 久留米大学, 医学部, 助手 (10289449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神薗 慎太郎 久留米大学, 医学部, 助手 (30261077)
関 直子 久留米大学, 医学部, 助手 (40226634)
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Keywords | TNF-α / プロモーター遺伝子 / 遺伝子多型 / 癌免疫治療 / HLA / 日本人 |
Research Abstract |
我々はTNF-α遺伝子5'-フランキング(プロモーター・エンハンサー)領域において,日本人に比較的高頻度にみられる3ヵ所の新規の多型塩基部位(position-1,031(T to Ctransitlon,-1,031C),-863(C to A,-863A),-857(C to T,-8571))について報告した(TissueAntigens 1998;51:605-12.)。-1,031C/-863Aalleleおよび-857Talcllcは,多型を持たない-1,031T/-863C/-857Calcllcに比し高い転写活性能を有しており,同多型が種々の刺激に対する個人のTNF-α産生能の違いに関与する可能性が示唆された。そこで次に,各種疾患患者におけるTNF-α遺伝子5'-フランキング領域の多型頻度を解析し,多型と疾患感受性について検討を進めている。また,各TNF-α遺伝子多型は特定のHLA allele(classI B-およびclass II DRBl-locus)と強い連鎖不平衡にあり,疾患感受性とTNF-α遺伝子多型・HLAの連鎖についても併せて検討した。 今回の検討においては、非特異的癌免疫療法であるOK432を投与された癌患者において長期生存患者を選出しその臨床経過と多型塩基部位との相関を検索した。-1,031C、-863A、-857T alleleのそれぞれの頻度はコントロール群に比べて有意の差はみとめられなかった-1,031C(OR=0.75),-863A(OR=0.92),-857T(OR=0.795)。また、HLA allele(classl B-およびclass II DRBl-1ocus)との相関もみとめられなかった。癌免疫療法を施行されただ患者は現在もその効果を経過観察中であり、その臨床効果は判定の過程にあるため、 今後、多型のデータを基に、評価するものである。
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