1998 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈弁輪拡大に対する弁輪形成リングの開発に関する研究
Project/Area Number |
10877205
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
小江 雅弘 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00279340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴原 由一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50244025)
前田 肇 香川医科大学, 医学部, 教授 (00075508)
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Keywords | 大動脈弁閉鎖不全症 / 大動脈弁機能 / 自己弁温存術式 / 大動脈弁輪形成術 |
Research Abstract |
大動脈弁輪拡大に伴う大動脈弁閉鎖不全症に対して自己大動脈弁温存術式が提唱されている.その一つである,Yacoubらの報告したリモデリング法の問題点と考えられる遠隔期の弁輪拡大を予防するという目的で,この術式に併用して大動脈弁をリングを用いて形成することで安定した術式が得られると考えた. 1. 大動脈弁機能に関する基礎的研究 リング開発のための基礎データとして正常弁・弁輪の形態および機能(動態)を検討した. (1) 形態;正常ブタ(n=5)の摘出標本より拡張期心停止時の弁・弁輪等のdimensionを解析した.体重と心臓の重量によりdimensionそのものにはバラツキがみられるため,大動脈バルサルバ洞部で最大の横径を100%として,以下の各部位の横径のdimensionを標準化した.また併せて弁輪部からの各部位の高さも同様に測定して標準化した. 弁輪部:横径 96±6%, バルサルバ洞部;横径 100%・高さ 25±3% Sinotubular junction部:横径 80±5%・高さ 60±4% で,正常の大動脈根部の形態は比較的均一であることがわかった. (2) 動態;上記ブタを用いて,遠心ポンプと膜型肺を用いて摘出灌流心モデルの作成を試みたが,Langerdorfmodeまでは可能であったがworking modeに至らず,動態の観察はできなかった.また弁輪からSinotubular junctionの上方まで切開して人工血管によりパッチ拡大を摘出心で試みたが,臨床で見られる大動脈弁閉鎖不全症の大動脈弁・弁輪形態とは異なるため,今後リングを試用するためには別の方法で大動脈弁閉鎖不全症モデルを作成する必要があると考えられた.
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