1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10877209
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
関谷 徹治 弘前大学, 医学部, 助教授 (70154656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 重晴 弘前大学, 医学部, 教授 (30004708)
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Keywords | COCHLEAR NERVE / NERVE COMPRESSION / NERVE DEGENERATION |
Research Abstract |
近年、神経外傷の研究においても、分子生物学的手法による検討がなされるようになってきているが、その対象は大脳や脊髄損傷に限られてきたきらいがあり、蝸牛神経損傷を対象とした分子生物学的実験的検討はほとんどないのが現状であった。そこで我々は、独自に開発確立した定量的蝸牛神経変性モデルを用いて、新たに研究を始めようとした。 一般に、神経系が外力によって損傷されたとき、一次的な効果としてaxonのmechanicalな断裂などが生じるが、その後、programmed cell deathとしてのapoptosisの過程が引き起こされることが次第に知られるようになってきている。そこで、蝸牛神経損傷において、apoptosisの過程がどのように働いているかをまず検討しようとした。すなわち、ラットの小脳橋角部において第8脳神経幹を露出し、独自に開発した神経圧迫装置によって圧迫損傷を作成し、主としてTunel法による検討を始めている。その結果、蝸牛神経圧迫損傷後一週間から10日前後に、apoptosisの過程がmaximumに働くようになるという知見を得ている。今後は、これらの検討をさらに深め、蝸牛神経変性過程の分子生物学的過程を明らかにする。
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