1998 Fiscal Year Annual Research Report
広範な関節軟骨欠損に対する新治療法(自家細胞入り同種関節軟骨組織片移植)の開発
Project/Area Number |
10877222
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荻野 利彦 山形大学, 医学部, 教授 (60109436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 理彰 山形大学, 医学部, 助手 (40241707)
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Keywords | 関節軟骨 |
Research Abstract |
生体外で、関節軟骨組織の再生を誘導する実験を行う前に、関節軟骨の発生過程を観察した。関節軟骨の再生はその発生と類似した過程を経る可能性がある。したがって、関節軟骨の発生過程を観察することは関節軟骨の再生誘導に示唆を与えると考えられる。マウス胎仔の膝関節を胎齢13日から15日まで観察した。摘出した膝関節を4%パラフォルムアルデヒドにて終日固定し、パラフィンにて包埋を行った。膝関節の矢状面にて厚さ4μの薄切切片を作製し、H.E.染色とサフラニンO染色を行った。さらに、Bone morphogenetic proteinに属するCartilage-derivered morphogenetic proteinのポリクローナル抗体を用いて、免疫染色を行った。H.E.染色とサフラニンO染色をみると、胎齢13日から大腿骨脛骨の骨幹部の異染性がみられ、胎齢14日では軟骨細胞の肥大化がみられ、胎齢15日では肥大軟骨細胞層に血管が侵入しており、骨形成がみられた。一方、関節発生部をみると、関節裂隙は胎齢14日から15日に明らかとなり、関節表層の軟骨分化は骨幹部に比べて遅れていた。Cartilage-derived morphogenetic proteinは前軟骨細胞と前肥大軟骨細胞の両者に発現が認められた。したがって、従来報告されている如く、Cartilage-derived morphogenetic proteinは軟骨組織の形成と成長に関与しておいると考えられる。これらの因子の関節軟骨組織での発現の有無を調査し、生体外での軟骨組織誘導を行う予定である。
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