1999 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞移植におけるin vivo electroporationの応用
Project/Area Number |
10877226
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
高田 晃平 島根医科大学, 医学部, 助教授 (50093604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆治 島根医科大学, 医学部, 助手 (40263537)
内尾 祐司 島根医科大学, 医学部, 講師 (20223547)
越智 光夫 島根医科大学, 医学部, 教授 (70177244)
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Keywords | Electroporation / 関節軟骨 / 軟骨細胞 / lacZ / TGF β / 間葉系細胞 / コラーゲンゲル / 家兎 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、Electroporationの一般的条件設定や効率を確かめるために株化された培養細胞を用いた。これによって、electroporation実験に再現性があることと実用に向けての可能性があることを確認した。続いて、幼弱家兎(0.5kg)の膝関節軟骨から採取した軟骨細胞にelectoroporationでlacZ geneを導入し、導入後にlacZを発現させることに成功した。しかし、導入条件によって細胞の生存率や遺伝子の発現率が大きく変化することが分かったため非常に厳密な条件設定が必要になった。そこで追加実験を慎重に行って至適条件(刺激電圧・刺激時間・細胞濃度・細胞浮遊液成分等)を決定するための実験を繰り返した。続いてTGF-beta geneの導入を試みたが現在までのところ十分な発現を確認出来ていない。そのため至適条件検索のため更なる実験を計画している。また、導入条件によっては細胞の生存率が著しく低下するため、関節軟骨だけでは関節軟骨欠損の治療に十分な細胞数が得られない場合があると予想された。肋軟骨や皮下組織の細胞を用いたところ、組織からの細胞の回収率やelectroporation後の細胞生存率が低く遺伝子導入は困難であることが明らかになった。そこで、他の間葉系細胞の利用や関節軟骨の細胞を培養系で増殖させてから遺伝子を導入する方法も検討している。また、コラーゲン・ゲル内で3次元培養した場合の導入実験も準備しているが、既にゲル内に包埋された細胞に均一にvectorを供給できるかどうかが大きな問題である。最終的にはin vivoにおける本研究の有効性を検討したいが、再現性のある効率の良い方法を決定することは今後の研究の有用性・信頼性に大きな影響を及ぼすため十分な検討をしていきたい。
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