1998 Fiscal Year Annual Research Report
関節疾患に対する遺伝子治療における新しいベクターの開発
Project/Area Number |
10877229
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (20178031)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルス随伴ベクター / 関節疾患 / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
われわれはすでにin vitroにおいて培養軟骨細胞に対し,非増殖型アデノウイルスベクターを用いて外来遺伝子導入を行い,導入遺伝子が高率にかつ長期間発現することを確認し,アデノウイルスベクター法が高度に分化した非増殖型細胞に対しても有効であることを証明した.また直接関節内にアデノウイルスベクターを投与した場合滑膜細胞へは高率に遺伝子導入が可能であったが,軟骨細胞へは十分な遺伝子導入高率が得られなかった.その要因として軟骨周囲の豊富な基質が通過障害因子となっていることが考えられる.この問題に対しては,アデノウイルスベクターの大きさ80nmに対しさらに小さいベクターの開発が必要である.そこで,直径が20nmのアデノウイルス関連ベクター(AAV)を用いて,関節疾患に対する応用の可能性を検討した.骨腫瘍患者の手術時または人工関節置換術時に得られたヒト関節軟骨から軟骨細胞を単離し,平板培養を行った.サイトメガロウイルスプロモーターからGreen Fluorescent Protein(GFP)を発現するAAVベクターを構築し,軟骨細胞に対し遺伝子導入を行った.導入遺伝子後,軟骨細胞に489nmの励起光を照射し,緑色の発光を蛍光顕微鏡をもちいて確認し,発現している軟骨細胞の割合について検討を行った.遺伝子導入後1日で16%、2日で45%、3日で85%、7日で95%の細胞で発現を認めた。またこの間に細胞障害性は認めなかった。以上よりAAVベクターにより、細胞障害を与えることなく,ヒトの軟骨細胞に対し遺伝子導入が可能であることが明らかになった。現在、ヒトの軟骨組織に対し遺伝子導入を行い、その発現および分布について検討中である。
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Research Products
(1 results)