1998 Fiscal Year Annual Research Report
機能的MRIによる慢性疼痛の脳局所血流のパターン解析と評価の試み
Project/Area Number |
10877239
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
竹内 健二 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (90262625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳本 政浩 福井医科大学, 医学部, 助手 (00191164)
杉浦 良啓 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30117361)
|
Keywords | 慢性疼痛 / ケタミン / f MRI / 局所脳血流 |
Research Abstract |
今回の臨床研究の目的は、慢性疼痛患者を対象とし、少量ケタミン投与による局所脳血流変化をf MRIを用いて測定し、臨床症状の変化と照合することにより、慢性疼痛の病態に重要な役割を有する脳局所を調べることであった。麻酔科外来通院中の慢性疼痛患者を対象として測定を行った。ケタミン投与前にコントロールとしてのMRI撮影を行い、患者の末梢静脈からケタミン0.1mg/kgを緩徐に投与した。投与後1分後から経時的にf MRI撮影を行い、得られたデータをSPMソフトにより解析した。目標として重視していた領域は視床・大脳体性知覚領野・大脳辺縁系などであったが、同部位を含むかなり広範囲な領域で、ケタミン投与により脳血流の変化が観察された。しかしながら、統計学的に有意な変化をとらえることは困難であった。本来全身麻酔薬であるケタミンのNMDA受容体拮抗作用に着目し、全身麻酔薬としての作用を表さないであろうと思われる程度の、少量の量を用い今回の検討を行ったわけであるが、次のようなことが問題となった。すなわち、投与されるケタミンの量がごく少量で、局所脳血流の変化も瞬時であり、f MRIの撮影タイミングの決定が困難を伴ったことであった。よって、薬物による局所脳血流の変化をとらえるのはかなり困難であるため、測定方法の変更を考慮せざるをえないと思われた。撮影タイミングの影響を除くには、比較的安定した脳血流変化がある程度持続する必要があり、そのためには神経ブロックを利用するほうがよいと思われる。そこで今後は、神経ブロックにより疼痛軽減をはかり、それに伴う局所脳血流の変化をf MRIを用い検討することに重点をおくこととする。
|