1999 Fiscal Year Annual Research Report
移植における抗原修飾に基づく免疫寛容誘導についての分子生物学的検討
Project/Area Number |
10877252
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西岡 伯 近畿大学, 医学部・附属病院, 講師 (50211454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 哲郎 近畿大学, 医学部, 講師
原 靖 近畿大学, 医学部, 講師
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Keywords | 腎移植 / 免疫寛容 / ECDI / 化学修飾 |
Research Abstract |
Ethylcarbodiimide(ECDI)によって化学修飾したドナー脾細胞を移植前に経静脈的に投与することにより、full-allogenicのラット心および腎移植の系において、ドナー特異的免疫低応答性が誘導されることを既に報告している。また昨年までに、本研究補助によって行った実験では、グラフト組織標本を用いて抗ED-1抗体と抗CD-4抗体陽性細胞の検出を試みた。また同時にRT-PCR法を用いて、IL-2mRNAの表現も検索した。その結果本研究のテーマである免疫低応答性は、CD-4陽性細胞の局所浸潤の抑制とIL-2mRNAの発現抑制であることを確認している。 さらに今年度はRT-PCR法を用いた組織内のサイトカイン検出を各種のプローベを導入し展開させた。使用したのはIL-4,IL-10,IFN-γであり、特にIL-4,IL-10のmRNAはHelper T cellの分画であるTH2に強く発現するものとされている。結果は、ドナー特異的免疫低応答性が誘導されたグラフト組織から描出された検体のIL-4 mRNAの表現は拒絶グラフトを比較し増強される傾向がみられ、IFN-γ mRNAは抑制されていた。従って、この免疫低応答性誘導の機序はTH2優位のT cellの関与が強く示唆されるものである。
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