1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム不安定性を標的とした婦人科腫瘍の悪性度の検定法の確立
Project/Area Number |
10877254
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
二階堂 敏雄 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (50180568)
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Keywords | 婦人科腫瘍 / 良性腫瘍 / 悪性腫瘍 / ゲノム不安定性 / 腫瘍抑制遺伝子 / Microsatellite Instability / LOH / 病理学的診断 |
Research Abstract |
本年度は、種々の婦人科臓器の正常、良性腫瘍、及び悪性腫瘍の各組織において、腫瘍抑制遺伝子などのゲノム不安定性を指標にして、より簡便でより迅速にしかも病理学的診断では診断でき難い腫瘍について悪性度を診断できる系を確立する為に、種々の婦人科腫瘍の組織よりDNA抽出を行い、我々が既に開発した放射線物質を用いないMicrosatellite Instability法により、ゲノム不安定性のある領域を検索した。患者の同意を得た上で、手術摘出材料から採取したそれぞれの組織よりDNAを抽出し、正常子宮平滑筋と子宮筋腫の組織を細切後にcollagenase処理を経てから、また子宮平滑筋肉腫や他の腫瘍の組織は細切のみ施し、蛋白質分解酵素阻害剤の入った溶解緩衝液を加えて溶解、ホモジネーションした。その後、フェノールを加えて遠心分離し、分かれた水相にイソプロパノールを加えてDNAを沈殿させて採取した。抽出したDNAを、テキサスレッド標識したプライマーを用いてPCR法にて増幅した後、日立自動DNAシーケンサーを用いてポリアクリルアミドゲルにて電気泳動し分離した。同一ゲル上で正常子宮平滑筋・子宮筋腫・子宮平滑筋肉腫及び種々の腫瘍組織に由来するバンドを比較し、特異的であると思われる腫瘍抑制遺伝子を含む種々のゲノム不安定性のある領域のLOH及びMicrostatellite Instabilityの有無を解析し、ゲノム不安定性のある領域を検索した。子宮筋肉腫においては、9種類のゲノム不安定性のある腫瘍抑制遺伝子が見出されたので、現在それらの領域について種々の婦人科腫瘍で検討中である。
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