1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10877275
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
池田 恒彦 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (70222891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30116024)
松本 康宏 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00254342)
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30216585)
西田 幸二 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40244610)
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Keywords | ミュラー細胞 / 血管新生 / 細胞増殖因子 / サイトカイン / 硝子体手術 / 増殖糖尿病網膜症 / レニンアンギオテンシン系 / ELISA |
Research Abstract |
培養ヒトミューラー細胞を用いて,血管新生に関与する種々の細胞増殖因子,サイトカインの遺伝子発現をRT-PCRおよびSouthern Blott Analysisを用いてmRNAレベルで調べた。 その結果,血管内皮増殖因子(VEGF),インスリン様増殖因子(IGF-1),肝細胞増殖因子(HGF),インターロイキンl,6,8,レニンアンギオテンシン系の諸因子(レニン,アンギオテンシン変換酵素,アンギオテンシノーゲン,アンギオテンシンII型受容体)の発現が見られた。また,VEGFは培養上清中にAGEを添加することで発現が亢進した。 硝子体手術時採取した硝子体液を用いたELISAによる細胞増殖因子の定量結果,VEGF,IGF-1,HGF,アンギオテンシン変換酵素,アンギオテンシンIIの濃度がコントロールの特発性黄斑円孔に比較していずれも高値を呈した。 これらの結果,増殖糖尿病網膜症の眼内血管新生に,VEGF,IGF-1,HGF,アンギオテンシンIIなどの諸因子が関与しており,その産生源としてミュラー細胞がひとつの候補と考えられた。 今後は種々の病的状態(例えば低酸素負荷など)によって,ミュラー細胞における各因子の遺伝子発現の変化および培養上清中の各因子の濃度が変化するかどうかを調べる予定である。また,増殖糖尿病網膜症の他にも,網膜静脈閉塞症,未熟児網膜症など,種々の眼内血管新生疾患の硝子体手術時に採取した硝子体中の血管新生因子の濃度もELISA法を用いて測定する予定である。
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