1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト軟骨細胞の培養とtissue engineering
Project/Area Number |
10877287
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
矢永 博子 (田邊 博子) 久留米大学, 医学部, 講師 (70217107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 誠 科研製薬(株), 開発研究所・薬理, 副主席研究員
北村 秀智 中外製薬(株), 創薬開発研究所, 研究員
山内 俊彦 久留米大学, 医学部, 助手 (80239839)
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Keywords | ヒト軟骨細胞 / 培養 / 軟骨細胞の支持体 / 移植 / collagen typeII |
Research Abstract |
<ヒト軟骨細胞の培養法> ヒト耳介軟骨及び肋軟骨は小耳症手術時の余剰軟骨より採取し、細切後、0.25% Tripsin、0.1% hyaluronidase、0.1% collagenase処理し、single cell suspensionとし10^4〜10^5/cm^2の播種濃度で75cm^2のフラスクに播種した。培地はF-12:DME(1:1)+10%FCSに増殖因子としてFGF、IGFを添加した培地で37℃ CO_2インキュベーター内で培養を行った。培地の交換は週に2回行った。 <培養軟骨細胞の支持体の検討> 培養軟骨細胞を人工物(ポリグリコール酸、アルギン酸塩、コラーゲンスポンジ)と組み合わせを検討した結果、ポリグリコール酸が最も適した。その結果、培養軟骨細胞とポリグリコール酸メッシュを組み合わせ、人工的に作製した軟骨細胞組織塊を得た。 <培養軟骨細胞の移植実験> ヌードラット背部に上記軟骨細胞組織塊を埋植し経時的(1カ月、2カ月、3カ月、6カ月)にbiopsyを行って軟骨形成片を観察した。平成10年度はn=19/20、軟骨形成率95%であったが、本年は個体数を増やし、n=50、軟骨形成率は約100%となった。 <組織学的検討> トルイジンブルー染色、アルシアンンブルーPAS染色で軟骨に特異的な組織像を検出した。その結果、移植後の培養軟骨細胞塊の軟骨形成が認められた。 <分子生物学的検討> 培養軟骨細胞塊移植後の組織片よりtRNAを抽出し、ヒト軟骨内マーカーであるtypeIIcollagenのmRNAの発現を検出した。 以上の結果をまとめ、1998年10月第7回日本形成外科学会基礎学術集会、宿題報告で発表した。現在、論文作成中である。
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