1999 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス誘導性タンパク質をもちいた頭頚部腫瘍の悪性度評価
Project/Area Number |
10877319
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 廣 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼澤 浩司郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60194578)
石井 哲郎 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20111370)
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Keywords | heme oxygenase / peroxiredoxin / c-abl / immunohistochemistry / squamous cell carcinoma |
Research Abstract |
前年度までに、われわれは、まず酸化ストレス誘導性タンパクとして、各種ストレスで応答の確認されているヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)をマーカーとして選択し、口腔癌におけるストレスタンパクと口腔癌の関連を見いだしたが、今年度はさらにペルオキシレドキシンI(Prx I)をマーカーとし、発現の変化と腫瘍の関連を調べた。甲状腺乳頭癌、腺腫、バセドウ病、コントロールを含む107例について、ウエスタンブロットによりPrx Iの発現を検知しバンドの黒化度により定量化をおこなったところ、腺腫やバセドウ病は正常細胞や乳頭癌より有意に高く発現していることがわかった。一方、Prx Iを口腔の扁平上皮癌53例の生検材料をもちいLsAB法にて免疫染色を施し、口腔癌におけるPrx Iの発現の半定量をおこない、TNM分類、分化度等との関連を分析し統計処理をおこなったところ、Prx I高発現グループには有意に高分化型の組織型の腫瘍を含み、また、Prx I高発現グループは所属リンパ節転移のない原発巣をもつグループを有意に多く含んでいることをみいだした。さらに、ストレス刺激によって活性が上昇することが知られているc-Ablも同様な方法で調べたところ、腫瘍の大きさに関連することが示された。 これらにより、酸化ストレスタンパク質は頭頚部腫瘍の臨床病態を示すマーカーになりうることを示した。
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[Publications] Mariko H Tsuji: "Heme oxygenase-1 expression in oral squamous cell carcinoma as involved in lymph node metastasis"Cancer Letters. 138. 53-59 (1999)
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[Publications] Toru Yanagawa: "Peroxiredoxin I expression in human thyroid tumors"Cancer Letters. 145. 127-132 (1999)
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[Publications] Toru Yanagawa: "c-Abl expression in oral squamous cell carcinomas"Oral oncology. 36(1). 89-94 (2000)