1998 Fiscal Year Annual Research Report
重度歯周炎羅患歯に残存する歯根膜の組織培養による歯周組織再生に関する研究
Project/Area Number |
10877342
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 熈 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 勉 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (10211301)
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Keywords | 歯周組織再生 / 歯根膜細胞 / 培養細胞移植 / BrdU / 歯周炎 |
Research Abstract |
歯周組織の再生には歯根膜が重要な役割を果たすことが明かとなっており、GTR法が臨床応用されているが、高度に歯周組織破壊が進行した歯は適応外であり、抜歯されているのが現状である。そこで、このような歯を一旦抜歯して歯根膜細胞をin vitroで培養・増殖させて再植することにより、歯周組織再生に有効であるかを明らかにする目的で、まず本年度は、培養、移植した細胞が生体内で生存可能であるかを検討した。ラットの歯根から培養した歯根膜細胞を象牙質上に播種、さらにBrdU0.1%を添加したMEMで培養し、細胞が付着増殖した象牙質片を移植した。移植部位はラットの頭蓋骨上とし、細胞付着面を骨面側にして静置、Gore-Tex膜で被覆して骨膜や結合組織由来の細胞が侵入しないようにして弁を縫合した。移植後7、14、21、28日で標本を作成した。その結果、培養細胞を付着させていない象牙質のみの移植では、骨性癒着が多く見られた。一方、培養細胞を付着させて移植した場合は、象牙質上にセメント質様の硬組織新生が見られ、さらにBrdUの免疫染色では、移植後28日の標本で新生されたセメント質様硬組織の上にBrdU陽性の細胞が確認できたことから、培養・移植した細胞が少なくとも28日間は生体内で生存し、セメント質様硬組織の新生に強く関与していると考えられた。現在、抜去歯の歯根膜を歯冠側1/2除去して培養し生体内に移植しており、重度歯周炎罹患歯の残存歯根膜を組織培養法を応用して再植することにより、歯周組織再生{こ有効であるかを継続して検討している。
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