1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10877353
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 徳島大学, 薬学部, 教授 (50127065)
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Keywords | 超原子価化合物 / 有機ヨウ素化合物 / 求核置換反応 / SN2反応 / アルケニヨーダン |
Research Abstract |
ビニル位炭素原子上での立体化学の反転を伴う求核置換反応、即ち、ビニル位炭素原子上でのS_N2型求核置換反応は全く知られていなかったが、我々はビニルヨーダンのハロゲン化アンモニウムによる求核置換反応が、立体化学の完全な反転を伴って進行することを見出しつつある。そこで、本反応を詳細に検討し、ビニル位炭素原子上でのS_N2型反応機構で進行していることを明らかにするため、研究を実施した。 E-ビニルヨーダンを基本化合物として選び、完全な立体反転を伴うハロゲン化アンモニウム(n-Bu_4NX:X=Cl,Br,I)による求核置換反応の速度論的解析を実施した。すなわち、ハロゲン化アンモニウムを大過剰使用する偽一次反応条件下、反応速度を測定し、反応次数を決定して、2分子求核置換反応であることを証明した。反応速度の温度依存生を調べ、求核置換反応の活性化エンタルピーおよび活性化エントロピーを測定した。得られた結果をビニル位炭素原子上でのS_N1型求核置換反応における値と比較し、S_N2型求核置換反応であることを証明した。脱離基である3価ヨウ素置換基の芳香環上に、種々の置換基を導入してその電子的効果を検討し、Hammettの置換基定数との相関を調べて反応定数(ρ値)を求めた。我々は既にビニルヨーダンのSNl型求核置換反応における反応定数(ρ値)を決定しており、得られた値を比較検討した。ビニル位炭素原子上でのE-ビニルヨーダンのSN2型求核置換反応においては、攻撃する求核試剤と置換基Rとの間の立体障害が反応速度を支配すると考えられる。そこでR基として、n-,iso-,sec-,tert-ブチル基を導入してその反応速度を調べ、立体的効果を検討した。β位重水素同位体効果および溶媒効果も検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masahito Ochiai: "Reaction of Moocarbonyl Iodonfum Ylides with Activated Imines:Stereoselective Synthests of trans-and cis-α,β-Aziridino Ketones" Tetrhedron Lett.39・31. 5569-5570 (1998)
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[Publications] Masahito Ochaiai: "On the Mechanism of Nucleophihic Substitution of Allenyl(ary1)iodine(III):Formation of Propargyl Cation and Competition with Sigmatropic Rearrangement" Tetrahedron Lett.39・31. 6207-6210 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "Vinylic SN2 Reaction of 1-Decenylidonium Salt with Halide Ions" Bull.Chem.Soc.Jpn.71・1. 243-257 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "In-plane Vinylic SN2 Substitution and Intramolecular β Elimination of β-Alkylvinyl(chloro)iodanes" J.Am.Chem.Soc.120・10. 2275-2282 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "Reactions of Phenyl(styryl)iodonium Tetrafluoroborate with Halide Ions" Bull.Chem.Soc.Jpn.71・8. 1915-1921 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "Solvolysis of β,β-Dialkylvinyliodonium Salt:Primary Vinyl Cation Intermediate and Alkyl Participation" Chem.Lett.10. 1177-1178 (1998)