1999 Fiscal Year Annual Research Report
DPV法を利用した簡便なリガンドーレセプター相互作用解析手法の開発
Project/Area Number |
10877355
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
宮田 直樹 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 部長 (50114674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 潔 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 主任研究官 (70189968)
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Keywords | DPV法 / リガンド / レセプター / 相互作用 / 酸化還元電位 / CV法 / DNA / 酵素 |
Research Abstract |
化学物質と生体成分の相互作用の解析は,生物活性を予測し活性の発現メカニズムを解明するために重要である.近年,コンピューターによるデータ処理技術が飛躍的に進歩し,従来では測定不能な微小電流を正確に計測しデータ処理できるようになった.その中でも特に,ディフェレンシャルパルスボルタメトリー法(DPV法)による酸化還元反応の測定は画期的であり,極微量の物質の酸化還元を高精度で測定することができる.我々は,本法を化学物質と生体成分の相互作用(例えば,DNAとDNAインタカレータ,あるいは,酵素と阻害剤)の解析に用いる目的で研究を行った.測定には,BAS社製の電気化学測定装置を用いた.化学物質と生体成分の相互作用により化学物質の酸化還元パターンが変化することを観測する目的で,まず最初に,CV(サイクリックボルタンメトリー)法を用いて,化学物質と生体成分との相互作用を調べた.昨年度は,生体成分としてcalf thymus DNAを用い,化学物質としてDNAと相互作用する含窒素多環芳香族化合物のアミノ酸誘導体およびレスベラトロール誘導体を用い,観測される酸化還元波がDNA濃度依存的に減少することを見いだしてしいる.本年度は,生体成分として薬物代謝酵素あるグルタチオンS-トフンスフェラーゼ(GST)を用い,化学物質としては,我々がGSTを阻害することを見いだしている[60]フラーレンを用いた.フラーレンの酸化還元波を指標にして相互作用の解析を試みたが,この場合は相互作用を観測することはできなかった.以上,本法によりDNAと化学物質の相互作用が解析できる可能性は示されたが,酵素との相互作用を電気化学的に解析するためには,さらにシステムの改良が必要であることがわかった.
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