1999 Fiscal Year Annual Research Report
炎症急性期に存在する慢性炎症のケミカルメディエーターの研究
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10877363
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高野 克彦 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (50293303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 太 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90231357)
中川 秀夫 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00012617)
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Keywords | 炎症 / 増殖因子 / 線維芽細胞 / MRP-14 / ケミカルメディエーター |
Research Abstract |
Rat migration inhibitory factor-related protein 14(MRP-14)が慢性炎症におけるケミカルメディエーターであることを明らかにするために、平成10年度に引き続き、以下に示すような実験を行った。 1.組換え体rat MRP-14の作製とその性質:平成10年度までに作製したGST-MRP-14融合タンパク発現ベクターを有する大腸菌より、Glutathione affinityカラム、Thrombinによる融合タンパクの切断、イオン交換カラムの手順により組換え体rat MRP-14を精製した。精製した組換え体rat MRP-14をin vitro細胞培養系に添加し、その線維芽細胞に対する増殖促進活性を検討した。細換え体rat MRP-14は、100ng/ml以上の濃度で、線維芽細胞に対して有意な細胞の増殖を誘導した。今後、平成10年度までに作製した抗rat MRP-14抗血清を用いることで、この組換え体rat MRP-14の線維芽細胞増殖活性が、抑制されるか否かを検討する予定である。 2.炎症滲出液の線維芽細胞増殖促進活性の検討:ラット・カラゲニン空気嚢炎症モデルの滲出液より、nativeなrat MRP-14を精製し、完全な一次構造を明らかにすることを最終目的とし、これを効率よく精製するため、本炎症モデルにおいてカラゲニン投与1日後より7日後まで経日的に回収した滲出液の、in vitro細胞培養系における線維芽細胞の増殖促進活性を検討した。その結果、線維芽細胞の増殖がー番活発であると推測される、カラゲニン投与5日後以後の滲出液は、線維芽細胞に対して高い増殖促進活性を示した。このため、nativeなrat MRP-14の精製には、カラゲニン投与5日後の滲出液(Day-5 exudate)を用いることとした。
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