1999 Fiscal Year Annual Research Report
アセチルコリンエステラーゼが持つペプチダーゼ作用に着目した新規阻害剤の開発
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10877369
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
芳本 忠 長崎大学, 薬学部, 教授 (60088870)
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Keywords | アセチルコリンエステラーゼ / プロリルエンドペプチダーゼ / セリン酵素 / インヒビター / プロリルアミノペプチダーゼ / X線結晶解析 |
Research Abstract |
最近我々は、種々のプロリン特異性ペプチダーゼの遺伝子のクローニングを行い、アセチルコリンエステラーゼと同じ、新ファミリーであることを明らかにした。アセチルコリンエステラーゼはPro-Xペプチダーゼ作用を持つことが報告されており、新しい観点からアセチルコリンエステラーゼへの阻害害剤の開発を計画した。 まず、プロリン特異性ペプチダーゼの構造を調べるため、ヒト脳プロリルエンドペプチダーゼ遺伝子をクローニングしその塩基配列から酵素のアミノ酸配列を明らかにした。次いで、大腸菌で発現させ酵素を精製し、ハンギングドロップ法で初めてヒト脳酵素を結晶化することに成功した。現在、X線結晶構造解析中である。また、ヒト染色体上の酵素遺伝子の場所をFISH法で調べたところ第6染色体6q13.6-q21に位置することが明らかになった。 一方、同じファミリーに属するプロリルアミノペプチダーゼを結晶化し、X線結晶解析法により立体構造を明らかにした。その構造からプロリンへの選択的基質特異性の発現機構を部位特異的変異法を用いて研究した。酵素の活性部位は活性ドメインとヘリックスドメインの触媒残基(Ser,His,Asp)が存在し、その近くに疎水ポケットが存在しPhe139がプロリンとスタックすることで5員環を認識し、Glu204がピロリジンのアミノ基の認識に関与することが明らかになった。更にArg136が基質のP1'カルボニル酸素と結合して、ペプチドのP1'の認識に関与することを明らかにした。まずは、このプロリルアミノペプチダーゼの構造とアセチルコリンエステラーゼの活性部位の構造の比較検討から、新規インヒビターの開発を進めていく。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kabashima.T.,: "Cloning of a novel prolidase gene from Aureobacterium esteraromaticum"Biochim.Biophys.Acta. 1429(2). 516-520 (1999)
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[Publications] Odagaki,Y.: "The crystal structure of pyroglutamyl peptidase I from Bacillus amyloliquefaciens reveals a new structure"Structure. 7. 399-411 (1999)
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[Publications] Yoshimoto,T.,: "Crystal structure of prolyl aminopeptidase from Serratia marcescens"J.Biochem. 126・3. 559-565 (1999)
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[Publications] Takahashi,E.: "Cloning of L-amino acid degrading enzyme gene from Proteus vulgaris"Bios.Biotech.Biochem.. 63・12. 2244-2247 (1999)
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[Publications] Darbon,E.,: "Glycerol transport and phosphoenolpyruvate-dependent,enzyme I-and HPr- catalysed phosphorylation of glycerol"Microbiology. 145. 3205-3212 (1999)