1999 Fiscal Year Annual Research Report
紅花に存在するセロトニン誘導体の抗炎症作用・細胞増殖促進作用に関する研究
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10877370
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
千葉 拓 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (10094385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧井 猛将 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80244573)
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Keywords | 紅花油 / クマロイルセロトニン / 抗酸化作用 / 線維芽細胞 / 細胞増殖促進活性 / 成長因子 / FGF / EGF |
Research Abstract |
食品紅花中にはセロトニン誘導体(N-(p-coumaroyl)serotonin(CS),N-ferutoyserotonin)の他、ポリフェノ-ル類に含まれる抗酸化物質が存在する。これらのセロトニン誘導体がグラム陰性菌のエンドトキシンリポ多糖(LPS)刺激によるヒト末梢単球からの炎症性サイトカインの産生を抑制する以外に、細胞増殖促進活性ももっていることを見出したのでその機序を明らかにする。そして、病気の予防、創傷治癒、また、抗炎症剤としての創薬の基礎的研究を目的とする。本研究では以下の点が明らかになった。1)LPSで活性化させた単球/マクロファージから産生される炎症性サイトカインであるIL-1α,IL-1β,IL-6,TNFαは、CS50μMで約50%、200μMで完全に阻害された。この効果はタンパク量レベル、mRNAレベルでも同様だった。2)CS類似化合物として、N-(p-coumaroyl)-tryptamine(CT),N-(trans-cinnamoyl)tryptamine(CinT)とN-(trans-cinnamoyl)serotonin(CinS)を合成し、抗酸化活性の構造活性相関を調べたところ、serotoninに付いている水酸基が抗酸化活性に関与していることが明らかになった。3)LPS刺激ヒト末梢単球からのIL-1α,IL-1β,IL-6,TNFαの産生抑制作用は、CS>CT>CinSの順で強められたが、CinTには作用が認められなかった。4)タンパク合成阻害作用は、CS,CTの方がCinS,CinTよりも強く認められた。5)正常なヒトやマウスの線維芽細胞増殖活性は、CS,CinS,CT>CinTの順であった。6)CSは、酸性の線維芽細胞成長因子(aFGF)や血小板由来の成長因子(PDGF)ではなく、塩基性の線維芽細胞成長因子(bFGF)や上皮成長因子(EGF)と共同して線維芽細胞を増殖させることが明らかになった。7)ラットの熱傷創に対する創傷治療速度について、我々が作製したCS軟膏やCinT軟膏,それに市販のゲーべンクリームを用いて調べたが,自然治癒に比べて著しい治癒効果はみられなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S. Kawashima,M. Hayashi,T. Takii,H. Kimua, H. L. Zhang,A. Nagatsu,J. Sakakibara,K. Murata,Y. Oomoto,and K. Onozaki: "Serotonin Derivative,N-(p-Coumaroyl)Serotonin,lnhibits the production of TNF-α,IL-1α,IL-1β,and IL-6 by Endotoxin-Stimulated Human Biood Monocytes"Journal of Interferon and Cytokine Research. 18. 423-428 (1998)
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[Publications] T. Taki,M. Hayashi,H. Hiroma,T. Chiba,S. Kawashima,H. L. Zhang,A. Nagatsu,J. Sakakibara,and K. Onozaki: "Serotonin Derivative,N-(p-coumaroyl)serotonin,lsolated from Safflower (Carthamus Tinctorius L) Oil Cake Augments be Proliferation of Nomal Human and Mouse Fibroblasts in Synergy with Basic Fibroblast Growth Factor (bFGF) or Epidemal Growth Factor (FGF)"Journal of Biochemistry. 125(5). 910-915 (1999)