2000 Fiscal Year Annual Research Report
症状マネジメントの手法を用いた神経難病在宅療養者のための看護ケアプラン開発
Project/Area Number |
10877415
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
松下 祥子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (30291941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛込 三和子 群馬大学, 医学部・保健学科, 教授 (10176654)
小西 かおる 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60332376)
小倉 朗子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (60321882)
川村 佐和子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (30186142)
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Keywords | 難病看護 / 在宅看護 / 呼吸障害 / 症状マネジメント / 看護ケアプラン |
Research Abstract |
神経筋疾患療養者を対象に、呼吸障害のモニターと呼吸障害の看護を行い、気管切開や人工呼吸療法実施の意思決定への支援に関して検討した。なお呼吸障害は、訴えや生活状況、経皮的酸素飽和度・二酸化炭素分圧、ピークフロー、換気量測定などによって行った。 進行性筋ジストロフィーでは、5例中3例(14-18歳)が夜間の非侵襲的人工呼吸療法を開始した。1例は(14歳、強度の側弯、肺活量950ml、PCF200L/M、日中座位SpO2=96%)1ヶ月に1回の看護による状態観察から、定期終夜酸素飽和度測定を支援し、飽和度90%未満が全測定時間の21%、2か月後同58%、自覚症状出現以前に、医師により夜間の非侵襲的人工呼吸療法の適応が確認され、療養者、家族も希望し、人工呼吸療法が開始された。 筋萎縮性側索硬化症では、昨年度に引き続き、呼吸障害出現から人工呼吸療法の意思決定に至る経過の、1.呼吸障害出現後、気管切開を行い経気管人工呼吸療法に至る方法と、2.呼吸障害出現後、非侵襲的人工呼吸療法(鼻マスク)を行い今後経気管人工呼吸療法を予定する2種類の方法について、各1事例を1〜2週間に1度程度、上記測定方法をもちいて訪問看護を行った。訪問看護では、呼吸障害に対する自己マネジメントと看護ケアプランを作成して、測定値は療養者および医師と共有し療養者の意思決定を促した。また本年度は新たに、呼吸障害出現進行後、非侵襲的人工呼吸療法(鼻マスク)を睡眠時に行い、今後経気管人工呼吸療法を選択せず緩和ケアに至る1事例を追加し、同様の内容で訪問看護を行った。 以上の結果より、呼吸障害進行早期より定期的な状態観察を行い、療養者の主訴との関連性を検討し、正確な情報に基づく医療者側の判断を療養者家族に伝え、療養者個別の療養希望、判断を支援することの重要性が示唆された。尚、呼吸障害のモニター結果については検討を加え、呼吸障害の看護度(重症度指標)として提示することも今後の課題である。
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