1999 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸栄養と情動-脳内アナンダミドレベルを指標として
Project/Area Number |
10878014
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
増沢 康男 兵庫教育大学, 教授 (30119622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 悦子 川崎医療福祉大学, 教授 (70192193)
岸田 恵津 兵庫教育大学, 助教授 (70214773)
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Keywords | アナンダミド / 2-アラキドノイルグリセロール / セラミド / ドコサヘキサエン酸 |
Research Abstract |
マリファナの主成分であるΔ9THCに対する受容体の内因性リガンドN-arachidonoyl-ethanolamide(アナンダミド anandamide、AEtA)、2-arachidonoylglycerol(2-AG)の量的変動を知り、さらには種々の精神疾患・行動異常に対する脂肪酸栄養の効果とアナンダミド産生の関連を明らかにすることを最終目標として、本研究を開始した。 以下に研究成果を記載する。 1.同一サンプルからのAEtA、2-AGの分離定量法の検討;両内因性リガンドとも、脂質抽出画分から、TCL-HPLC(GLC)により分離定量できるが、TLC上では、ほぼ同一の位置に分離されるため、同一サンプルから同時に両者を定量することは困難であった。しかしながら、内部標準物質、TLC展開溶媒を工夫することにより、2次元TLC上で両者を初めて分離することに成功した。 2.ラット食餌脂肪酸によるΔ9THC受容体内因性リガンドレベルの変化;ラットに次のような食餌を与え、2週間飼育した後の腎臓及び脳のAEtA、2-AG量を調べた。A群(コントロール);無脂肪食+ラード10%、B群;無脂肪食+リン脂質型DHA10%、C群;無脂肪食+トリグリセリド型DHA10%、D群;トリグセリド型リノール酸10%、その結果、BCD群ともに各臓器中のリン脂質の脂肪酸レベルにおいては、食事中の脂肪酸構成に見合った変化がみられたが、アラキドノイルグリセロールにはほとんど変化がみられなかった。しかし、脳のAEtAは、DHA食(B、C群)を与えることで低下した。 3.アナンダミドの分離において、TLC上の非常に近い位置に、細胞内のシグナル伝達に関わる脂質メディエーターの一つと考えられている。セラミドが分離されてきた。このセラミドについて、微量定量を目指し、種々検討した結果、同様の蛍光HPLCによる各分子種の分離定量法を確立することができた。 4.DHAによりTNF誘導のアポトーシスが抑制されることがわかった。
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Research Products
(1 results)