1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10878016
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
藤澤 史子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助手 (50089041)
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Keywords | 冷食 / 体表温 / 血流量 / 血圧 / 自律神経 |
Research Abstract |
漢方医学で詳述されている食品の中で寒涼性に分類されている食品について、生理効果が実際に存在するかどうかを科学的に実証することを目的として実験を行った。これまでに柿については実証してきた。そこで、比較的水分含量の多いきゅうりと調味料として不可欠な塩を選び、ヒトを対象として、体表温(額、首、手首、足首)、鼓膜温度、体表の血流量、血圧を測定することにより、身体生理機能への影響について検討した。 1. きゅうり (実験A)「乾燥きゅうり」と「対照食」の比較 凍結乾燥したきゅうり、対照食としてきゅうりと同じエネルギー、タンパク質、糖質を含む材料で構成されたクッキーを摂取後の変化をみたところ、体表温では手首で対照食に比し、温度下降傾向が見られたが、他の部位においてはほとんど差はみられなかった。血流はやや減少傾向、血圧では対照食に比し下がる傾向を示した。 (実験B)摂取時の温度の影響を見るため冷きゅうり(5℃)と温きゅうり(37℃)の摂取後の変化を比較したところ、額では冷きゅうりは温きゅうりに比し、摂取6分後から温度上昇を抑制する傾向が見られ。手首においては摂取18分後から温度下降を促進する傾向が見られた。血流は有意に減少し、血圧はほとんど差が見られなかった。 今回の実験で、水分含量(96.2%)の多いきゅうりの場合、摂取時の食品温度の影響がより大きいことが示唆された。 2. 塩 自然塩(能登の天塩)、NaClの2種類について、各々水と比較し、摂取後の変化を見た。体表温では額、手首、足首で自然塩、NaClは対照の水と比較して、低下を促進する傾向を示した。なかでも、NaClよりも自然塩の方が低下を促進する傾向を顕著に示した。血流量は水と比べて、自然塩は減少傾向を示したが、NaClには差は見られなかった。血圧は対照に比し自然塩、NaClで上昇する傾向がみられた。
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