1998 Fiscal Year Annual Research Report
生活科における「隠れたカリキュラム」に関する実証的研究
Project/Area Number |
10878033
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤田 静作 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (70241651)
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Keywords | 隠れたカリキュラム / 生活科 / 教科イメージ / 教科評価 / 教師 / 保護者 / 中学生 / 総合的学習 |
Research Abstract |
本研究は基本的に三つの主要の視点から計画されている。第一は、小学校低学年次に生活科を体験した中学生がそれを振り返って現在どのような教科イメージを描き、生活科から何を学び、それをどのように価値づけているのか、について定量的・定性的に探ること。第二は、生活科の授業を受けている子ども達の保護者が生活科をどのように受けとめ、また子どもの日常の姿から生活科から何を学んでいると捉えているのか、について全国調査を実施し、定量的・定性的に探ること。第三は、実際に学校現場に入り込み生活科の授業及び学校生活における子どもの姿を参与観察しながら、生活科から何を学んでいるのかについてエスノメソドロジー的手法で探りつつ今日の学校文化について探ること、である。 第一の研究については附属中学校の子ども達を対象として実施した。その結果、生活科に対する「満足度」 「有用度」という二つの尺度から、生活科評価をめぐる三つの群(「受容群」 「容認群」 「非受容群」)が存在することが明らかになった。その中で、「受容群」は生活科に対して一般に肯定的な教科イメージを、逆に「非受容群」は否定的な教科イメージを描いていることが分かった。こうした群に分類された中学生の中から10名強の子ども達を抽出し、その後小・中学校の担任及び本人への取材を通して生活科から具体的にどのようなことを学びとり、どのように意義づけているのかについて明らかにした。 第二の研究については秋田県内外から20校の公立小学校1〜3学年各学年2クラスの子ども達の保護者総数4,000名強を対象としてアンケート調査を実施した。現在、その集計及び分析を進めている。 第三の研究については附属小学校1〜3学年の学級を対象として不定期に学級を観察しつつデータを蒐集しているが、まだ明確な知見を得るには至っていない。
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[Publications] 高橋寛之・藤田静作: "中学生の生活科評価と教科イメージ(1)-生活科を体験した中学生に対する意識調査を基にして-" 秋田大学教育学部教育工学研究報告. 第20号. 43-52 (1998)
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[Publications] 藤田 静作: "理科科と横断的・総合的学習の単元づくり" 生活科と共に総合的学習を創る(明治図書刊). No.96. 40-43 (1998)
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[Publications] 日本理科教育学会編: "キーワードから探る これからの理科教育 (第2章 を担当執筆)" 東洋館出版社, 313 (1998)