1998 Fiscal Year Annual Research Report
国際化社会に対応した歴史教育内容及び内容構成論の研究-「自国」認識を中心に-
Project/Area Number |
10878035
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
新行 紀一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (40023981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 武志 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20273302)
魚住 忠久 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50144176)
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Keywords | 社会科教育 / 歴史教育 / 自国史 |
Research Abstract |
本研究は2年計画で実施しており,本年度はその1年目にあたる。 本年度は,資料調査及び文献の収集を行うとともに計4回の研究会を開いた。 研究会においては,グローバル化しつつある現代社会にあって,自国史の教育意義やその内容構成論の再検討の基本的視点に関して論議された。 また,日本の近隣諸国の動向も調査した。韓国及び台湾では,自国史(台湾にあっては中国史及び台湾史)については,内容は異なるものの,現在の「自国」認識を基盤とした内容構成をとっており,日本の場合と共通した歴史教育観がみられる。また,その自国認識を問題解決的な手法を取り入れて,生徒に主体的に学習させる教育方法の開発と実践が歴史教育の課題と認識されており,この点でも日本の歴史教育と共通している。 現在,日本では,新しい学習指導要領が作成されたが,歴史教育にあっては,従前の内容構成を踏襲しつつも,欧米的な思考力育成を主体とする問題解決的教育観も強調されている。日本では,「自国史」学習を前提とする内容構成論にあって,それと学習者の主体的学習に注目した問題解決的学習との統合が,従来からも実践レベルでは常に問われてきた。この点に関する研究においては,近隣諸国より実践的蓄積を持っている。次年度には,日本における従来の内容構成や教育方法に関する研究の具体的な検討とともに,新学習指導要領に代表される現在の方向性が果たしてどのような効果を持つか,また従来十分には解決し得なかった内容構成上の問題点の改善について,韓国・中国・台湾の研究者を交えた研究会を開いて検討し,報告する予定である。 本年度の予備的研究によって,上記の検討課題が整理された。
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