1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10878049
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
小林 孝次郎 創価大学, 工学部, 教授 (00016148)
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Keywords | Kolmogorov複雑度 / 万能分布関数 / 符号化理論 / Shannonエントロピー |
Research Abstract |
P=(p_0,p_1,...)を0<pi<1を満足する計算可能実数例とし,ビット列x=a_0a_1...a_<n-1>のPにより一般化された長さ|x|pを,|x|p=Σ<i=0/n-1>(if a_i=0 then-log_2p_ielse-log_2(1-p_i))により定義する。昨年度に引き続き,この一般化した長さのもとで,(1)Kolmogorov複雑度の最小性,(2)万能分布関数の最大性,(3)Shannonの符号化定理,の3つがどこまで成り立つか,という問題に取り組んでいる。 当初,Pを"数列p_iをより急速に減少する数列にする"という意味で"ゆがめて"行くとき, (1)ある時点でこれら3つが一斉になりたたなくなる, (2)その限界はΣp_iが収束するようになる点である(一昨年渡仏したときの,Alexander Shen(ENS,Lyon)との議論で得られた予想) と予想してきた。 しかし,昨年8月の渡仏がきっかけで始めたAndrei Romashchenko(ENS,Lyon)との共同研究により,この予想が正しくなく,(1)がなりたたなくなった後にも(2)はまだなりたっている,という領域が存在することが示された。この結果,この問題はなかり複雑で極めて興味深い問題であることがわかってきた。現在は,(1),(2),(3)の本質的な違いを明らかにすべく,Romashchenkoの作った反例の構造を分析している。
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