1998 Fiscal Year Annual Research Report
顔の個人識別に関する電気生理学的知見を利用した情報処理手法の研究
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10878052
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮川 道夫 新潟大学, 工学部, 教授 (50239357)
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Keywords | 顔ニューロン / 個人識別 / パターン認識 / 情報処理手法 |
Research Abstract |
ヒトの正面顔画像から顔ニューロンの計算に必要な顔特徴、すなわち顔部品のサイズや部品間距離を求める手法について検討した。一般的には濃度値に適当な閾値を設けて部品輪郭を決定し、部品サイズや部品間距離を求める。顔の場合も多くの部品ではうまく機能するが、目尻などは照明条件により全く異なった位置が検出されてしまう事態も生じる。また、顎と首の境界も人によっては照明の影響を強く受け、区別が難しい。主としてこの問題に対処するため、眼と顎輪郭の緩やかなモデルを規定し、その当てはめにより部品サイズを決定する手法を開発した。これにより、照明の影響を低く抑えることが可能となった。 実際にサルの大脳で確認されている顔ニューロンは顔の色や特定領域の面積などにも反応することがわかっているが、我々が顔識別に利用しているサルの顔ニューロンは、顔部品や部品間距離に応答する12個の顔ニューロンである。顔の色や一部の面積はコンピュータ処理には向かないため、この12個のニューロンに的を絞って顔識別実験を行った。しかしながら一般的には12個の顔ニューロンが等しく顔識別に貢献しているとは考えられない。このため、12個の顔ニューロンのうちいずれか一つを順番に欠落させて顔識別実験を行い、基準顔画像と入力顔画像の類似度指標が欠落したニューロンによりどの程度影響を受けるか調べた。この結果、1番目のニューロンのみが顔の識別率に殆ど影響を与えないこと、また、他のニューロンの顔識別結果への貢献度はほぼ等しいことを明らかにした。
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