1998 Fiscal Year Annual Research Report
都市計画における時空間自由度の大きさとその影響に関する研究
Project/Area Number |
10878063
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 義明 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (50183760)
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Keywords | 施設配置 / ウェーバー問題 / 空間自由度 / 自治体規模 / パレート最適 / 多目的立地問題 / ボロノイ図 / ミニ・マックス問題 |
Research Abstract |
1. 需要点数が3や4という単純な状況だけではあるが,施設配置問題の最も基本的な平面上のウェーバー問題やミニ・マックス問題に対し,需要点の重みや位置の変化が最適点や目的関数値,さらには目的関数の等高線図にどのような影響を与えるのかを理論的さらに数値的に考察した.今後、需要点数を一般化した場合についても検討したい. 2. 空間的自由度として,平面上の多目的立地問題に着目した.ミニ・サム基準,ミニ・マックス基準,マックス・ミニ基準を組み合わせて生じる2目的,3目的立地問題のパレート最適点集合を,ボロノイ図や最遠点ボロノイ図を利用して幾何学的にさらに数値的に分析した,また,移動費用が距離に比例する場合に加え,距離の二乗に比例する場合についても考察した.これらのうち,いくつかの多目的問題に対し,パレート最適点集合を求める多項式オーダーの解法を導いた.また,その特徴についても,スカラー化目的問題との関係等から理論化を試みた.なお,ミニ・マックス基準とマックス・ミニ基準とから成る2目的問題のパレート最適配置の場所と量との関係については,幾何確率の結果を用いて数理的に導出した.今後,世界的に見てもほとんど論じられたことのない3目的問題のパレート最適の理論化を試みたい. 3. 自治体規模が都市計画にどのような影響を与えるのかという視点で,2自治体間の間接税競争モデルを平面上で定式化し,均衡解が満たすべき必要条件を導出した.均衡解は高々一組にしかないことを示すとともに,小さな自治体が有利であるという結論等を導いた.また,住民のモビリティの大きさが均衡解の存在を不安定にすることを示すとともに,均衡税率を下げることも理論的に示した.
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