1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10878078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
成田 英器 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20001662)
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Keywords | 氷膜 / つるつる路面 / 摩擦係数 / 交通量 / スリップ / 表面温度 / 放射収支 / 圧雪 |
Research Abstract |
道路雪氷表面における氷膜形成(路面のミラー化)は、路面の摩擦を極端に小さくするため安全な走行は困難となり交通渋滞や事故を誘発し重大な社会問題ともなる。そこで本年度は道路雪氷の微視的構造、氷膜発生条件の把握を目指した。観測は1998年12月から1999年3月にかけて札幌市内の定点おいて気象観測、市街地路線において走行実験を行い自然雪面と道路雪面の熱収支特性を求めた。特に車両から雪氷路面に伝達される熱量の算定では車両温度が気温よりはるかに高いため、車からの赤外放射熱が道路雪水面を溶かしていることが示唆された。 道路雪氷が短時間に氷膜(ミラー)化する要因の観測として、1999年1月下旬に旭川郊外のテストコースで新雪から氷膜への変化プロセスの観測を行った。観測項目は日射量、気温、風速、表面温度、放射収支量、新降雪量、車体温度(下部4点:前部、中央部2、後部)、タイヤ温度(内部温度2点、表面外部温度)、道路雪氷試料の微細構造、である。実験は均質な乾燥雪面で走行・制動を繰り返し、車のスリップによる雪氷路面温度の変化と雪氷構造の変化を観察した。積雪表面温度が-7〜-9゚Cと低くても、ブレーキ走行部の温度は高くなり、局所的な融解がみられた。また道路雪氷を採取しその微視構造を観察すると、初期の新雪面が制動26回目では薄い氷層が認められ51回目後では完全な氷板の形成が見られた。それに伴って車のスリップ距離も指数関数的に増加した。今後は気象条件ばかりでなく道路の走行方向、交通量を考慮した路面熱収支モデルを構築しなければならない。
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