1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10878122
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
飯田 滋 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30012777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 善茂 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50280764)
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Keywords | アサガオ / マルバアサガオ / アントシアニン生合成遺伝子 / エピジェネティックス / 遺伝子発現調節 / DFR遺伝子 / CHS遺伝子 / 花の色模様 |
Research Abstract |
江戸時代に多数の変異体が分離されたアサガオには花の色模様に関する変異体も多い。我々は既にトランスポゾンの関与する易変性変異「雀斑」と「吹掛け絞り」の同定に成功している。しかしながら、これらの変異は劣性(白色地)から優性(有色)に体細胞変異を起した色模様(絞り模様)の花を咲かせ、希には生殖細胞復帰変異体も分離できる変異体である。一方、アサガオの中には、従来のトランスポゾンの転移脱離では説明が困難なアサガオの色模様に関わる変異体が存在する。本研究ではエピジェネティクな遺伝子発現の制御を念頭において、この様な変異の同定とその分子機構を解明を試みる萌芽的研究である。 我々アサガオの花の色素生合成系の構造遺伝子のcDNA及びゲノミックDNAをクローン化してその構造解析を行い、マルチジーンファミリーを形成している遺伝子もあることを見出した。即ち、CHSはゲノム中に少なくとも6コピー存在し、花では主にCHS-DとCHS-Eが発現し、DFRもタンデムに3コピー並んだ内のDFR-Bが花で発現していた。エピジェネティクなジーンサイレンシングは、相同性が高い配列が導入されたり、遺伝子重複を起してコピー数が増加した場合に起こることが知られているので、これらの遺伝子がエピジェネティクなジーンサイレンシングに関与している可能性がある。そこでまず、これらの遺伝子のゲノミックDNAの配列を決定とその組織特異的発現様式の検討をアサガオ及びマルバアサガオについて行った。現在同様な解析をCHS遺伝子について行いつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Inagaki: "Genomic organization of the genes encoding dihydroflavonol 4-reductase for flower pigmentation in the Japanese and common morning glories." Gene. 226. 181-188 (1999)
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[Publications] S.Iida: "Floricultural traits and transposable elements in the Japanese and common morning glories." Annal.New York Acad.Sci.(in press).
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[Publications] 飯田 滋: "植物の生長、遺伝子から何が見えるか。" クバプロ, 169 (1998)