1998 Fiscal Year Annual Research Report
ローカリゼーションシグナルトラップ法の開発と,細胞分化に関する遺伝子群の解析
Project/Area Number |
10878133
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 大阪大学, 遺伝子情報実験施設, 助教授 (30089875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 康秀 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (60263307)
土田 順司 大阪大学, 微生物病研究所, 日本学術振興会特別研
田中 宏光 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10263310)
蓬田 健太郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90283803)
西宗 義武 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80029793)
|
Keywords | 遺伝子改変動物 / トランスジェニック動物 / 緑色蛍光蛋白質 / green fluorescent protein / 実験動物 / 凍結保存 |
Research Abstract |
1. 細胞周期に依存して特異的に細胞質から核内に移行する蛋白質とEGFPの融合蛋白質をコードする遺伝子をCAGプロモーター(hCMV enhancer+chicken beta-actin promoter)の制御下に発現させたときに、融合蛋白質が目的蛋白質と同様に核内に移行することを確認した。その際、GFPを用いているので細胞を固定する必要がなく観察後も培養を続けることが可能であった。その結果、一つの細胞を経時的に観察するだけで、融合蛋白質が細胞周期に依存して核内と細胞質を行き来している様子を見ることができた。 2. 精細胞特異的に発現するアクロシンのプロモーターの制御下にアクロシンとGFPの融合蛋白質を発現するトランスジェニックマウスを作製した。その結果、アクロシンーGFPが精子形成の過程でアクロシンと同様に精子の頭部に存在する小胞(先体)部分に特異的に局在する様子を観察することができた。 さらにこのトランスジェニックマウスの精子の蛍光強度を測定することで、先体反応とよばれる先体からの各種酵素群の放出を世界で初めてリアルタイムで観察することに成功した。先体反応は精子が受精能を獲得するために必須の過程であるが、そのメカニズムについては不明な点が多い。我々の作製したトランスジェニックマウスは先体反応を研究する上でも非常に有用であると考えられる。 3. 以上の点から、目的蛋白質にEGFPをつないだ場合でも、核や分泌小胞などの細胞内小器官への目的蛋白質の移行や局在が損なわれないことが明らかとなった。
|
-
[Publications] Hadjantonakis,A.K.et al.: "Non-invasive sexing of preimplantation stage mammalian embryos." Nat Genet. 19. 220-222 (1998)
-
[Publications] Ikawa,M.et al.: "‘Green mice'and their potential usage in biological research" FEBS Lett. 430. 83-87 (1998)
-
[Publications] Okabe,M.et al.: "Green fluorescent protein and its usage in reproductive biology" Zygote. 6. 117 (1998)