1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10878136
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野地 澄晴 徳島大学, 工学部, 教授 (40156211)
|
Keywords | コオロギ / トランスジェニック / 突然変異 / 遺伝子導入 / GFP |
Research Abstract |
本研究では,ショウジョウバエとは異なり,不完全変態類に属する昆虫,特にコオロギに着目して,その発生過程を分子レベルで解析する.とくに,コオロギなどの昆虫の飽和突然変異体の作製,遺伝子操作はほとんどおこなわれおらず,コオロギ遺伝子の機能を解明するためには,突然変異体,トランスジェニックコオロギやノックアウトコオロギの作製が必要不可欠である.そこで,以下のような研究を今年度行った. (1) 突然変異体の作製:コオロギの生殖細胞を点突然変異誘発物質ENUを用いて,確率的に総ての遺伝子に突然変異が生じるほどの飽和突然変異体を作製し,その形態を解析するための,準備として,飼育方法などを検討した.また,実際に,眼白の突然変異を用いて練習を行った.これから,実際に突然変異体の作製を行う.得られた突然変異体を保存するための方法を検討している.特に,精子保存法を検討する予定である. (2) 遺伝子導入法の検討:コオロギの遺伝子導入法として,DNAのマイクロインジェクション法,電気穿孔法,レトロウイルス法,トランスポゾン法を考えている.これらの方法をできるだけ平行して検討する.コオロギ胚へのDNAインジェクションの条件決定を行った.その結果,DNAを導入できる条件を決定した.そこで,グリーン蛍光タンパク質(GFP)をレポターとして用い,DNAをインジェクションしたところ,GFPの蛍光を観察することができた.また,卵のステージをそろえるため,冷蔵庫で保存することにより,発生開始時期を調節できることが,わかった.
|