1998 Fiscal Year Annual Research Report
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10878138
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
篠田 晃 山口大学, 医学部, 教授 (40192108)
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Keywords | 嗅球 / 嗅上皮 / 一次嗅覚系 / アセチルコリンエステラーゼ / Mab213 / ラット / 哺乳行動 / Modified Glomerular Complex |
Research Abstract |
本年度は、Mab213抗体を用いた免疫組織化学により新たに同定されたネックレス型嗅覚系について、ラット一次嗅覚系における受容体細胞および糸球体の分布、アセチルコリンエステラーゼ強陽性の異型糸球体との関係を光学顕微鏡レベルで明らかにすることができた。また、電顕解析により、ネックレス型糸球体の超微細構造も明らかになりつつある。Wistar系雄ラットを4%パラホルムアルデハイド、0-1.0%グルタールアルデハイド、リン酸緩衝混合液で灌流固定し、ラット嗅球ならびに鼻腔(脱灰標本)の前頭断切片をビブラトームあるいはクライオスタットによる凍結切片を作成後、Mab213抗体を用いた免疫組織化学およびアセチルコリンエステラーゼの酵素組織化学に供し、光顕および電顕レベルで検索を行った。鼻腔粘膜においては、Mab213陽性嗅覚受容体細胞は主に鼻腔尾側端背側部、特に鼻甲介のT1周囲および鼻中隔に接した鼻腔天井部に分布しており、その他、散在性に分布する陽性細胞が他の鼻腔後端粘膜にも観察された。嗅球では、最尾側でMab213陽性糸球体が全周を囲むように数珠状にネックレスパターンを呈して分布していた。またこれらMab213陽性糸球体は常にアセチルコリンエステラーゼ強陽性の糸球体に隣接して存在していた。このネックレス型糸球体はトルイジンブルー染色で他の典型的な糸球体と同様な暗調小結節を有し、免疫電顕による解析の結果、現在、その陽性嗅神経終末には大型有芯顆粒largedense-cored vesicle (径100-150nm)が豊富に存在していることが確認された段階にある。
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