1999 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカルを介した光フェントン試薬による新しい非特異的脳局所部位破壊法
Project/Area Number |
10878148
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐々木 和男 富山大学, 工学部, 教授 (60042826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 章 富山大学, 工学部, 助手 (40236849)
松郷 誠一 山梨大学, 工学部, 教授 (30148126)
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Keywords | フリーラジカル / 紫外線 / 脳破壊 / フェントン試薬 |
Research Abstract |
平成11年度における研究実績は以下のとおりである。 新しい紫外線照射装置並びに神経細胞のモデル細胞として新たなPC-12D細胞を用い、次の結果を得た。1.PC-12D細胞に対する紫外線照射時間:紫外線照射そのものが細胞に障害を与えることから、PC-12細胞に照射する紫外線の照射時間を変え、PC-12Dに対する影響を調べた。その結果、紫外線を5分間以上照射すると非照射群に比べ有意にPC-12D細胞が障害されることが明らかになった。2.光フェントン試薬(NP-III)の毒性:光フェントン試薬であるNP-IIIそのものがPC-12D細胞に毒性をもつか否かを検討した。1μMのNP-IIIはPC-12D細胞の生存に影響しなかったが、2μM以上では対照群と比べ有意に細胞が障害された。3.NP-III存在下での紫外線照射:NP-III存在下で紫外線を照射(2分間)し、発生したヒドロキシラジカルがPC-12D細胞に与える影響につき検討した。検討したNP-III濃度0.5μMから2.0μMの範囲内では紫外線非照射群に比べ照射群で有意に生存細胞数が減少した。4.PC-12D細胞に対する過酸化水素の影響:過酸化水素はフリーラジカルを発生することでよく知られた薬品である。そこで、過酸化水素によるラジカルとNP-IIIにより発生するラジカルの強さにつき検討した。その結果、過酸化水素の濃度が10μMまでは過酸化水素はPC-12D細胞に影響しないことが判明した。3.の結果と比較すると、これはNP-IIIがかなり強力なラジカル発生作用をもつことを示す。
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Research Products
(1 results)