1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の核内転写因子の人工制御による脳機能の解明
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10878149
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 助教授 (20207533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 教授 (40079736)
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Keywords | 転写因子 / 核移行シグナル / mRNA / ペプチド核酸 / 脳機能解析法 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
本研究の目的は、核移行ペプチドをキャリアーとして特定の物質を核内に導入し、生体を生かしたままで転写段階での制御を可能にする方法を開発し、転写制御による脳機能の変化を解析することである。 この目的のために平成10年度は下記の基礎実験を行った。 1) 核移行ペプチドのC端に生体内には存在しないトリペプチド(Tyr-DAla-Phe)を結合させ、培養グリア細胞に投与し、ペプチドが核内に侵入することを確認した。 2) さらに、遺伝子に結合して転写を阻害するためのペプチド核酸を結合させた人工転写制御因子を作製した。現在、核内に移行するかどうかの条件を検討中である。 3) 転写制御のターゲットとして誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)遺伝子を選び、培養ミクログリア細胞で、LPS投与により(iNOS)遺伝子の発現が生じ、NOが産生されることを確認した。現在、iNOSアンチセンスペプチド核酸を含んだ人工転写制御因子を投与し、iNOS遺伝子の発現を阻止可能か検討中である。 4) iNOS誘導による神経細胞死のモデル実験系を確立した。今後、モデル動物にて人工転写制御因子を投与し、神経細胞死の抑制が可能か検討する予定である。 以上の成果の一部を国際学術誌に発表した。
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[Publications] Y.Kitamura et. al: "In Vitro and In Vivo Induction of Heme Oxygenase-1 in Rat Glial Cells:" GLIA. 22. 138-148 (1998)
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[Publications] Y.Kitamura et. al: "Hydrogen Peroxide-Induced Apoptosis Mediated by p53 Protein in Glial Cells:" GLIA. 25. 154-164 (1999)